JEWEL BOX #01
2006/03/12 出題
さて、第1回の作品展です。
急遽作品募集したにもかかわらず、2桁の作品が集まりました。(水増し作が2、3ありますが...)
投稿いただいた皆さんにはお礼申し上げます。
解答締切は2006年4月7日(金)です。解答もよろしくお願いします。

ルール説明:
【安南】味方の駒が縦に並ぶと、上の駒の利きは下の駒の利きになる。
【キルケ】駒が取られると最も近い将棋での指し始め位置に駒が戻される。戻せないときは持駒になる。
【アンチキルケ】取った方の駒が、最も近い将棋での指し始め位置に戻される。戻せないときはそのまま。
【PWC】取られた駒は取った駒が元あった場所に復元する。
【金王】王の性能(利き)が金。
【Kマドラシ】同種の敵駒が互いの利きに入ると、利きがなくなる。王も例外ではない。
【連続】先手または後手が連続して駒を動かす。その間、王手をかけたり、王手がかかったりしてはいけない。
【衝立】☆ ついたてDiamond ☆ - ▲ ついたて詰を楽しもう ▽ をご覧ください。
【ばか詰】先後協力して最短手数で受方玉を詰める。
【ばか自殺詰】先後協力して最短手数で攻方王を詰める。
【ばかステイルメイト】先後協力して最短手数で受方玉をステイルメイトにする。ただし、最終手のみ王手を掛けなくてよい。
【ばか自殺ステイルメイト】先後協力して最短手数で攻方王をステイルメイトにする。
【ばか千日手】先後協力して最短手数で最初の局面に戻す。

PDF版は こちら から。

2006/04/09 結果発表
解答者は、若林さん、ピッコロさん、神無七郎さん、隅の老人Bさん、小峰耕希さん、森茂さん、たくぼんさん、もずさん、瘋癲老人さん(解答到着順)の9名。
2006/04/09 追記:瘋癲老人さんの解答メールは2006/04/08に送信されていましたが、当方のメールサーバに到着したのは翌日。 さらに転送先のメールサーバでは何故か迷惑メールと判断され配信保留。その通知メールが届いたのがその翌日。 ということで、瘋癲老人さんの解答掲載が少し遅れました。失礼しました。
出題数が少し多かったのと難問もあったようで、全題正解は神無七郎さんの1名のみ、全員正解は第1番の1題のみという結果でした。解答状況の一覧は こちら から。
そして残念ながら、余詰1題。 第2回以降は創作、解答双方で気合が必要そうですね。
2006/04/09 追記:余詰は王手放置の誤指摘でした。気合が必要そうなのは編集者のようです。

結果をご覧になった感想等お寄せください。ここに記録していきます。

2006/04/08 もず
○自作の森氏解答について
「金王」ルールなので「後手方の金も王様」というつもりでした。 例えば初手56金は歩の利きに入るので禁手ということです。
ルール説明で強調していただくようにお願いすべきでした。すみませんでした。

○神無七郎氏のコメントについて
正算で進めながらルールなどを調整してつじつまを合わせました。
普通の連続詰でも「+1」つきのものなど後手が連続で指す作品はあるのですが、 最後まで後手しか指さないのは違和感があるのは確かだと思います。 このルールは極光2で使われていたものを採用したのですが 駒余り容認がベターという意見が多ければそれでも構いません。

○その他
通常とはだいぶ違うタイプの問題だったこともあって 思っていた以上に難解だったようです。 難解なりに考えるのが楽しめればよかったのですがどうだったでしょうか。
その後、勢いで銀王版の図が得られていますので 次回投稿しようかと考えております。 完全かどうかはさらに検討する必要がありますけども。

2006/04/09 小峰耕希
思い付いた順番に感想を書きます。
@の全員正解は流石ですね〜。でも個人的にはもっと全員正解がありそうに思っていたので意外でした。やはり狙いが明快な第1番は沢山の人に解いて貰えるのでしょうね。
Bの衝立詰の解答者が少なかったのは更に意外。僕は初日にあっさり解けていたので、若林さんの作品2題よりは(僕は両方共解けず)ずっと解答者が多いかと思っていたのですが…。でも自信を持って解答してるのは他に七郎さんだけみたいだし、僕としてはこれでも良いか。ただ作者を思うと短評が少ないのは気の毒。
Fの不要駒指摘者は2人か。中には北村手筋を褒めている方もいらっしゃいましたが、明らかに不必要なのでこれまた意外でした。たくぼんさん余程忙しいのかなぁ…。
Iのもずさん作は難しく解けませんでした。あと2〜3手短縮出来れば良かったのですが…。残念。出題方法にいろいろ議論があるようですが、個人的には玉方のみ着手の方が、攻方駒余よりかはずっと抵抗感が薄いです。むしろルール説明をもっと丁寧にして欲しかった気がします。

最後に、僕の駄作を見易い図面にして下さり有り難うございました。
また書きますが、次回こそは作家としても参加したいです。でもFL初登場はしたいし、たくぼんさんの協力詰出題で再登場もしたいし、アンチキルケ展やPWC展があるし、九州G別館にも出たいし、「詰将棋おもちゃ箱」のカピタン展示室にも再登場したいし、今は実力不足で無理ですが将来的にはOFMのトップページ出題や、氾濫のゲスト出場が出来たら良いな〜等という無謀な構想もあり…。う〜ん、我ながら作れない割にはやりたいことが多いです。やっぱりフェアリーは楽しい!

2006/04/09 たくぼん
太郎さん、結果稿作成ご苦労様でした。感想など・・・。

@ 私の感想より「7種→8種」訂正してお詫びいたします。(こんなところまで間違えるとは・・・_| ̄|○)

A 解説中の2001解ちょっと探してみたくなります。
   1作1作もあるんですね。個人的には別々の方が好きですね。

B 段数も数えられないのか・・・きっとたくぼんは疲れているに違いない。でも正解出来てうれしい。(温情ありがとうございました)

F 2枚も不要駒があるとは・・・北村手筋を意識して61金置いたのに要らないなんて(思い込みはいけません)創作途中24歩は要る筈だったんだけどなあ(最終確認しないといけません)

I 初手5六金とかは禁手だったんですね。OKかと思い非限定手順を削除して考えていました。詰手順は24手目2七金を読めませんでした。完敗です。本当にすばらしい手順でした。

総評(書くのを忘れていました)
第1回、なかなか好評でよかったですね。しかしある程度の解図力がないと解答するのは大変で、これからいかに入口を広げるかが課題でしょう。

記憶にある作品がいくつかあり少しだけ楽させていただきましたが全題正解ならず残念。
自作は全員正解もならず残念。おまけに不要駒2つもあり残念。
解答に誤記が多く残念。

次回は気合いの入った作で登場しますのでよろしくお願いします。

問題 解答・解説・感想
第1番 神無太郎



85桂 同角/22角 94歩 同金/61金 83金 同歩 82銀 同銀/71銀 82銀 同香/91香
85桂 同飛/82飛 84金 同桂/81桂 94歩 同玉/51玉 まで 16手

作者
第24回神無一族の氾濫の第7番、たくぼんさん作に触発されて作ったもの。
コンパクトな初形、持駒は理想的だが、歩の再生距離が0なのは大いに不満。

若林
持駒と配置から期待通りの8種アンチキルケ。この持駒で唯一解になるところが綺麗で、導入に最適。

神無七郎
持駒も盤面も4×2=8。様式美とはこの作のためにある言葉。

隅の老人B
全員故郷へと言いたいが、76銀だけは戻らない。

小峰耕希
玉方8種復元の最短表現。ば自系作品はまだ慣れないのですが、 ルール慣れしているのと、詰上りの推定が容易なのとですぐ解けました。

森茂
先手は持駒を打つだけだからと、目読で解けたつもりでした。 解答を10手まで書いてみて、解けていなかったことに気づき、 駒を並べてみてようやく開き王手で解けることが判りました。 持駒と初期配置型詰上りが面白い趣向です。

たくぼん
7種復活の第1号局に比べるとかなり洗練されましたね。8種復活の古典となるでしょう。

もず
8種の駒が一枚ずつ戻る趣向ですが、 このように固めることでうまく限定できるのが面白いですね。

第2番 若林



37歩 同玉 19角 28香 同角左 36玉 39香 38銀 同香 37金
27銀 47玉 36銀 38玉 27銀 同金 まで 16手

27角 46玉 47歩 55玉 64龍 56玉 66龍 47玉 38角 同玉
36龍 37角 27龍 39玉 28龍 同角成 まで 16手

作者
手数より何より手順が短編指向ですが、一応16手。
私にとっては初めての半密室ものですが、新鮮味があるかは微妙。
枠についてはこれが最善か分かりません。

作者(解答時)
箱を壊す2解目が許されるかどうかが焦点。

神無七郎
「もしや設計ミス!?」と思わせる抜け穴付きの密室型ですが、そこに作意があったとは!
神無三郎氏の「2001解」を髣髴とさせる、複数解を利用したユーモア作。
神無三郎さんの作品はこちら↓

Online Fairy Mate 169号(2001年1月8日)掲載作


隅の老人B
第1解:合駒選びが3度もあると、解答者は大変。創り手は、どうなのかな。
第2解:囲いの外に出すのは、意想外。
一粒で二度美味しい。余詰も言いよう、別解ありでした。
若林さんは1解に分離した作も用意していたのでした↓





森茂
時間切れで2解目は解けていません。

たくぼん
初手3七歩の方はすぐに分かりましたが、玉を追い出す方はなかなか気付きませんでした。
出来ることなら追い出す方1解であればよかったかな。

瘋癲老人
2解目は閃かず。

第3番 ピッコロ



反則9回まで、入玉有り

2一飛成、3一桂、(8一竜×、7一竜×、6一竜×、5一竜×、4一竜×、)3一竜、5一角、
(8一竜×、7一竜×、6一竜×、)8三桂、8二玉、7一桂成、8四角、7二成桂、8三玉、
8一竜、9四玉、8四竜、同玉、8五香、9四玉、8三角まで17手反則8回

作者
2手目、3一合い以外だと反則数が足りて早詰め、また香歩は使えず、桂以外だと取った後早詰め。
3手目の前に反則3回が必要。
反則を4回してきたときは合い駒は、4一桂で、以下同竜、5一歩、8三桂、8二玉、7一桂成のとき 8三へ合いをされると、8一香成の反則が必要になり失敗。
反則が3回なら、同じ手順では8一香成×、7二と、9一玉、8一とから詰み。
反則をせずに8三桂から行くのは、合いゴマが6一銀で、7一桂成、8三合、7二とのとき同銀ととられて失敗。

ということで、玉方は4一か5一へ合いを打てる、それより近いと早詰め。
4手目、5一角以外は8三桂、8二玉、7一桂成、同玉、73香から早詰め。
正解は5一角で以下は一本道。
なお8四竜を9五香とすることはできない。8二へ合いの可能性がある。

神無七郎
「チョンボ権」を1回残して、桂角の合駒を出させるところまでは割とすんなり分かったのですが、 その後84龍で94玉か82合かを打診できることになかなか気付きませんでした。
ついたて詰の手筋に慣れていない証拠だと思います。
ところで、86杏の意味は何でしょう? 93を香にして86金ではいけないのでしょうか?
ピッコロさん曰く:
初期案は、63成香、86銀の図でしたが、飛車、香、歩だけの図にしたかったのと、
51角を41に合いと間違えて読んだとき、86銀だと非常に不自然ですが、
86成香だと香の合いをなくすための意味があるので、すこし間違えそうかなと(^_^;;


なお棋譜法はカピタンの方式に従いました。
七郎さんの解答はこちら↓
21飛成 (-) 81龍×71龍×61龍×51龍×41龍×31龍:桂 (-)
81龍×71龍×61龍×83桂 (-) 71桂成 (84) 72圭 (-)
81龍 (-) 84龍 (同) 85香 (-) 83角 まで 17手

小峰耕希
序の中合2連発が素晴らしい! こういうの大好きです。
いっそのこと大道棋教室に投稿してみては? あ、そしたら1手詰か(^^;)

たくぼん
すいません読みきってないので自信がありません。きっと間違っています。
13手目と15手目、誤記してません?

もず
21飛成 31桂(81龍× …… 41龍× 反則5回)
(41桂なら、81龍× …… 51龍× 反則4回 41龍
 51歩 81龍× 71龍× 61龍× 反則7回 51龍
 61歩 81龍× 71龍× 反則9回 61龍
 71桂 に、83桂 → 71桂成 → 81成桂
 桂でなくて銀金があれば82に角があれば73に打って簡単。
 31飛なら、反則5回で取ってから81龍× 81飛。)
31龍 41桂(81龍× 71龍× 61龍× 反則8回)
(61合なら61で取って前記の変化へ)
83桂 82玉 71桂成 同玉(83飛合なら、81香成× 72と 91玉 81と 同飛 同香成)
73香 61玉 72香成 51玉 62成香

なんですが……手数が合ってないですね。
すみません、検討時間がないので。

瘋癲老人
作者には申し訳ないんですが全然考えてないです。

第4番 若林



後手持駒 なし

33飛成 54玉 24龍 65玉 15龍 76玉 16龍/15歩 85玉 96龍 74玉
76龍 83玉 84歩 93玉 83歩成 94玉 84と 95玉 16龍 まで 19手

作者
駒の余らないステイルメイト。
終了図も限られているし、考える気になる手数だと思います。

作者(解答時)
最終手の感触が気持ち良いが、創作というより発掘です。
この駒での収束はもう何パターンかあるが、これが一番好きです。

神無七郎
初形からこの最終手は予測できませんでした。
歩頭の龍で、歩をPawnにしてしまった感じ。

隅の老人B
巧妙に1歩を手に入れる。初め21手で、2手縮めるのに2時間。1手1時間でした。

森茂
33飛成、54玉、24龍、65玉、15龍、76玉、16龍/15歩、85玉、
解けたつもりで手順をかきかけましたが、解けていませんでした。

たくぼん
龍の軌跡が限定できるんですね。手は狭いですが謎解き楽しめました。

もず
はじめは龍を九段目に持ってきて歩を取ろうと思ったのですが手数が足りず 悩んだ末にステイルメイト型を発見しました。
7手目に歩を下げるのがやりにくかったです。

瘋癲老人
19手、どういうからくりなのかこれも全く閃きませんでした。

第5番 神無七郎



後手持駒 なし

46金 25玉 35金/46角 26玉 36金 27玉 37金/36角 28玉 18金 同角生/36金
27金 38玉 28金 同角生/46金 37金 48玉 47金引 49玉 48金 39玉
38金寄 29玉 28金/38角 19玉 29金 同角右生/38金 27金寄 まで 27手

作者
PWC小作例集 作例10を入玉型にしたものです。
手順は不規則ですが、初形「1」から詰上り斜対称と、形を楽しむ作と思ってください。

若林
PWCだからどの4隅も可能性はあるが、右下にヤマをはる。外れていたら諦めよう。 ……とはいえ手が広すぎて何をして良いか分からない。 観賞用だなあ、と思いつつ逆算も含めて動かしてみる。 ……っと、何とかなった。初手と2手目が当たっていてラッキー。

森茂
収束形から逆算しかけましたが、これも時間切れです。

たくぼん
詰上がりからの逆算+順算の手順ドッキング解法で解きましたが、 解けたものの中では一番時間がかかりました。初形のこだわりも七郎さんらしいです。

瘋癲老人
難解そうなので後回しにしてましたが結構考えました。
しばらく31手で脚踏み。ようやく29手まで到達したのが昨日。
これ以上はアナログ頭では無理そうです。
解答発表を楽しみに待ちます。

第6番 神無七郎



Online Fairy Mate 219号(2004年7月3日)掲載作

25と 同龍 16歩 同金/17歩 同歩/41金 同龍/17歩 同歩/82飛 26玉 27歩 25玉
26歩 同桂/27歩 同歩/21桂 14玉 15歩 同角/17歩 13と 24玉 25歩 同玉/27歩
26歩 同角/27歩 同歩/22角 24玉 23と 14玉 24と 15玉 25と まで 29手

作者
2004年の全国大会の握り詰の使用駒に合わせて作った握り詰。
Online Fairy Mate に発表したものなので、ここで正式発表し直します。
その時に解かれた方にはちょっと申し訳ないですが…。

若林
悩まずにすらすらと守備駒を追い出せる。中編らしさを感じる楽しい作品。

隅の老人B
と金と歩で詰上がり図を考える。12とが鍵でした。

たくぼん
記憶の片隅に残っていましたので何となく思い出しながら解きました。キルケの特徴を生かした傑作だと思います。

第7番 たくぼん



29馬 93玉 39馬 83玉 29馬 84玉 39馬 74玉 29馬 75玉
39馬 65玉 29馬 66玉 39馬 56玉 29馬 57玉 39馬 58玉
49馬 69玉 58馬 79玉 57馬 68飛 同馬/88馬 69玉 59飛 68玉
79馬 同玉/51玉 52歩成 まで 33手

作者
忙しくてこんなものでしか参加できませんが、よろしくお願いします。

若林
綺麗で気楽に楽しめる玉ノコ。収束が上手く限定できている。しかし61金と24歩が不要駒なのは残念。
ノーチェックでした。すみません。

ピッコロ
なんとか68飛を見つけることができました。

神無七郎
終盤は紛れが多く、アンチキルケらしい「北村手筋」も出てきて満足。
でも、序盤の馬鋸はいったい……?

隅の老人B
敵玉で19飛の利きを殺す。玉鋸が楽しい一人旅でした。

小峰耕希
作者にしては珍しく(本人は否定なさってますが)素直な手順に終始。
玉方の24歩と61金は不要駒です。

作者(解答時)
きっと正解者が一番多いでしょう。馬鋸〜馬の復活〜馬捨てがやってみたかった・・・それだけです。

もず
収束が見えませんでしたが、53歩が大きなヒントでした。

第8番 神無七郎



後手持駒 なし

19飛 28玉 18飛 39玉/28歩 19飛 38玉 39飛 28玉/38歩 29飛 18玉
19飛 28玉 18飛 39玉 19飛 48玉 49飛 38玉/48歩 39飛 28玉
38飛 19玉 18飛 29玉 19飛 38玉 18飛 28歩 同飛/18歩 39玉
38飛 29玉 28飛 19玉 29飛 まで 35手

作者
Oniste Fairy Mate での第105回出題作が「二歩禁を利用して歩を入手する」作だったので、 「二歩禁を利用して歩を相手に渡す」のを主題にしたのがこの作です。
これの発展形が Oniste Fairy Mate での第107回出題作で、JEWEL BOX の企画がなければ 第107回の出題は、こちらの中編の方になっていたかもしれません。

若林
掲示板でしたっけ、二歩禁利用による歩の入手、というヒントがありましたね。 それにしてもこの面積と駒数でよく手が続くものです。 比べてしまうと私の2番はまだ未完成品という気がしてきます。

隅の老人B
歩を持駒にさせて歩合、巧妙としか言いようがない。

小峰耕希
難解さは無いが、配置・手順が一番スッキリするように作図したのが伝わって来る。

森茂
難しくはありませんが、狭いところを追い回すのが面白かったです。
PWCを解くのがこの作品が初めてで、9手で詰んだと思ったのですが、それは打ち歩詰禁でしょうね。

たくぼん
詰上がりの予想がはずれました。(予想は5九玉 3九飛型)一言で楽しめる小品でした。

もず
歩をどうやって取らせるかですが、 飛の動きが限定されるように動かすとうまくいきました。
詰め上がりが不思議な感じです。

第9番 神無太郎



Online Fairy Mate 173号(2001年3月30日)掲載作

27飛 97飛 87歩 同飛生 77歩 同飛生 67歩 同飛生 57歩 同飛生
47歩 同飛生 37歩 同飛生 同金 27金 29飛 99飛 89歩 同飛生
79歩 同飛生 69歩 同飛生 59歩 同飛生 49歩 同飛生 39歩 同飛生
同馬 29馬 18飛 11飛 12歩 同飛 13歩 同飛 14歩 同飛
15歩 同飛 16歩 同飛 17歩 同飛生 まで 46手

作者
水増し作その1。

若林
これは見たことがあります。丁度私がOFMのサイレントな読者になった頃です。懐かしい。6x3が非常に綺麗ですね。

神無七郎
今度は6×3=18。
簡潔な表現が明快な論理を際立たせています。

隅の老人B
大いなる歩の浪費、それにしても巧みに使いますね。

小峰耕希
6×3=18。覚えてから10年近く経つ慣れ親しんだ式ですが、 これが作品になると感動的ですらある。

たくぼん
“飛行艇”の歩の7連打2回を思い出せますが、こちらは6連打3回。この簡素な形から こんな手順が生み出されるんですからイヤになりますね。傑作。

もず
解いたことがあったはずなのですが、 はじめに21から飛を打ってしまって混乱しました。

第10番 もず



後手持駒 なし

後手が46手連続で動かして先手玉(11金)をステイルメイトにする

57金 67金/57歩 77金/67歩 87金/77歩 86金 97金/86歩 87金 77金 76金 86金/76歩
77金 67金 66金 76金/66歩 67金 57金 56金 66金/56歩 57金 47金
46金 56金/46歩 47金 37金 27金/37歩 26金 17金/26歩 27金 37金 36金
35金 46金/35歩 36金 26金 25金 24金 35金/24歩 34金 33金 24金/33歩
23金 22金 33金/22歩 32金 31金 22金 まで 46手

作者
実は完全性にまだ確信が持てないのですが、 締め切りも近いので送ってしまいます。

若林
(無解)
46手……100手くらいかかるんですけれど。根本的に手順が分かりません。

神無七郎
これは形から入った作でしょうか? それでこの綺麗な趣向手順が得られたのは収穫。
収束の入り方に少し迷いますが、逆算で推測できるので煩わしさはありません。
連続詰は、中編の手数で長編の内容を盛り込めるので、中編不足を補うことのできる 重要なフェアリーの一分野になる可能性があると思います。

なお、ルールについてですが、先手と後手を入替えて「金王PWC連続ステイルメイト[駒余り可]」と するのはどうでしょう?
最終局面で駒余り可というのに抵抗を持つ人もいるかもしれませんが、 後手が指すという違和感がなくなるので、私個人としてはこの方が良いと思います。

森茂
初手が、@47金/46歩、A56金、B57金、の3通りがあります。
@47金/46歩、57金、67金/57歩、77金/67歩、87金/77歩、97金/87歩、96金、86金、
  77金、87金/77歩、86金、76金、67金、77金/67歩、76金、66金、57金、67金/57歩、
  66金、56金、47金、57金、47金、37金、27金/37歩、26金、17金/26歩、27金、
  37金、36金、35金、46金/35歩、36金、26金、25金、24金、35金/24歩、34金、
  33金、24金/33歩、23金、22金、33金/22歩、32金、31金、22金 まで 46手
A56金、66金、76金、86金、97金、96金、86金、77金、87金/77歩、86金、
  76金、67金、77金/67歩、76金、66金、57金、67金/57歩、66金、56金、47金、
  46金、57金/46歩、の22手で@の22手までと同形。
B57金、67金/57歩、77金/67歩、87金/77歩、97金/87歩、でAの5手までと同形。
途中の非限定はある程度許容できますが、初手からの非限定は余詰となるでしょう。
初手が限定できる金の位置が、他に有るかも知れませんね。
私はこのような作品を解くのが好きです。
う〜ん、これは参りました。
2006/04/09 追記:もずさん指摘のとおり、上記はすべて王手放置の誤解答でした。失礼しました。

たくぼん
あと一手がどうしても縮まらない。参りました。
とにかく死ぬほど考えました。無念です。

もず(解答時)
下2段の駒の中には不要駒が含まれますが、 fmが使えないのでどこまでが不要か正確に読みきれなかったことと 解く方にも無用な読みを強いることのないようにということで すべて埋めてしまうことにしました。

瘋癲老人
A:56金、66金、76金、87金、86金、97金/86歩、87金、77金、
  76金、86金/76歩、77金、67金、66金、76金/66歩、67金、57金、
  56金、66金/56歩、57金、47金、46金、56金/46歩、47金、37金、
  『27金/37歩、26金、17金/26歩、27金、37金、36金、35金、
  46金/35歩、36金、26金、25金、24金、35金/24歩、34金、33金、
  24金/33歩、23金、22金、33金/22歩、32金、31金、22金』
  まで46手。
B:47金/46歩、57金、67金/57歩、77金/67歩、87金/77歩、
  97金/87歩、96金、86金、77金、87金/77歩、86金、76金、67金、
  77金/67歩、76金、66金、57金、67金/57歩、66金、56金、47金、
  57金、47金、37金、『・・・・』まで46手。
  9手目から76金、87金、86金、76金、66金、77金、76金、66金、
  56金、67金、66金、56金、47金、57金、47金、37金、
  『・・・・』まで46手。
平凡に左端から消していっても47手。
一手縮めるだけで唯一解に収束するとは到底思えませんでしたが・・
作意もこの収束なんでしょうか?
だとしたら検討不足としか言いようがないです。
2006/04/09 追記:これも王手放置ですね。

第11番 神無太郎



Online Fairy Mate 177号(2001年6月5日)掲載作の改造版

18歩 27玉 19王 26玉 27歩 36玉 28王 35玉 36歩 45玉
37王 44玉 45歩 54玉 46王 53玉 54歩 63玉 55王 62玉
63歩生 72玉 64王 83玉 73歩成 84玉 74と 85玉 75と 94玉
85と 83玉 84と 82玉 94と 71玉 83桂生 72玉 84と 61玉
73桂生 62玉 74王 52玉 64桂生 51玉 63王 62玉 まで 48手

作者
水増し作その2。

若林
歩王送りのバリエーション。収束のと桂送りを見つけるのに苦労しました。このリレーは良いですね。

神無七郎
趣向は明快、収束はちょっと工夫が必要。
でも、歩を72まで不成で送り込める分、シンプルな原作の方が良かった気がします。
原作はこちら↓



隅の老人B
序の趣向は簡単に発見できるが、と金が出来てからが難しい。

たくぼん
昔の作品はもっと簡素だったような気がする。収束はやや考えさせられました。 2つの趣向を合体させたような作品。

もず
後半の73歩成が非限定になりそうで指しにくかったです。
詰みを確認した後も限定されている気がしませんでした。

第12番 森茂



59銀 38玉 39銀 29玉 38銀 39玉 48銀 28玉 39銀 18玉
29銀 19玉 28銀直 18玉 19銀 29玉 38銀 39玉 28銀 48玉
49銀右 59玉 48銀 68玉 59銀 78玉 79銀 89玉 78銀 79玉
68銀 88玉 79銀 98玉 89銀 99玉 88銀直 98玉 99銀 89玉
78銀 79玉 88銀 68玉 69銀左 59玉 68銀 48玉 まで 48手

作者
八、九段の中だけでの移動で銀4枚を使い、 半分の手数で左右逆になって折り返す。
58銀が不動で角でもよいのが不満。

若林
単純明快な配置の千日手。これが初出であることが凄い。手を出してみたら実質24手でほっとする。

神無七郎
銀の囲いは意外と隙間が多いことを教えてくれる作。
盤がもう少し横長で、銀をたくさん使えたら、送り趣向にもできるのでしょうね。

小峰耕希
こちらの式は24×2ですか。
ただ手順を見ると、中編の課題がないと出し難いかな。

隅の老人B
あっちへ行ったり、こちらに来たりで大苦労。
よくもまあ、こんなパズルを創り出しますね。

たくぼん
氏の作品が解けてうれしい。24手考えたら答えがでました。

もず
手が続くように動かすと自然に進むのですが、 左右で同じ手順になるのは意外でした。

総評など
若林
募集、創作の時点では中編の定義の難しさを改めて感じました。
ルールによって感覚が随分違うところがありますし。
その上で作品を見ると、「中編」という表現にふさわしい作品が 集まったように思います。楽しませていただきました。

ピッコロ
ばか詰め系は、あまり詰めたことが無いので感覚がつかみづらいですね。
とりあえず、解けたものだけでも回答をおくります。

神無七郎
企画を見たときには作品が集まるのかどうか心配したのですが、 数もそこそこ集まっており、内容も結構良かったので、次回にも期待が持てると思います。
お気に入り投票とかはないみたいですが、個人的に印象に残ったのは、 若林さん(第2番・第4番)、ピッコロさん(第3番)、もずさん(第10番)の4作品です。
特に第2番の若林さんの作品には笑わせてもらいました。

隅の老人B
解ければ、勿論嬉しい。解けなければ、解答発表を読んで、成る程と感心。
それにしても、沢山の出題、そして難解。これで長時間の暇が過ごせる。
暇な老人には嬉しい贈り物です。

小峰耕希
現時点で解けている作品の解答です。もし今後締め切りまでの間に 更に解けたものがあった場合は、追加の解答を送りますね。
これまでに解けた作品をお気に入り順に挙げると、上からHBG@KF。
HとBは微差。Fは駄作という訳ではないけれど無駄駒が痛い。 僕は作品でも参加出来れば良かったのですが、創作が不調なもので…。
代りってわけでもありませんが、Onsite Fairy Mateの掲示板(Fairy BBS)に、 安北協力詰(33手)とアンチキルケば自STM(36手)の2作を投稿しました。
どちらもくるくる級です。JEWEL BOXの難解作で疲れた方の気休め用に 丁度良いと思いますので、皆さん是非お試しを。
小峰耕希さんの作品はこちら↓

    

森茂
今回は、年度末で老人会クラブ関係ほかの行事が多忙で、おまけに詰パラ2月号のばか自殺 ステイルメイトの余詰の修正が未だに尾を引いていまして、解答に殆ど手が回りませんでした。
次回からは、投稿・解答にもっと力を注ぎたいと思っております。

もず
面白そうな作品が残っているのですが 締め切りを勘違いして解き終えませんでした。
すみません。

瘋癲老人
今日は一日酔っ潰れてましたので短評は割愛させていただきます。
申し訳ないです。