フェアリー別館 第8回
2006年05月01日: 課題発表: 詰手数の末尾が7(協力詰)
2006年06月28日: 投稿締切
2006年07月01日: 出題
2006年07月28日: 解答締切
2006年08月09日: 結果発表



課題発表

第8回は九州Gフェアリー別館独自の課題になります。 第8回の課題案を寄せられたのは、小峰耕希・たくぼんの二氏のみ。 そのうち、間口の広さを考えて、たくぼん氏の案を採用することにしました(2回連続ですが・・・)。

たくぼん−次回課題は、7月開催ですので「7手詰」か「77手詰(いるのか?)」でどうでしょう。 解答者にも創作側にも楽しんでもらえそうですが。(2回連続私の提案受入は無理でしょうが・・・)

ただし、上記案そのままではなく、「詰手数の末尾が7」を課題とします。 つまり、「7手、17手、27手、37手・・・詰(協力詰)」ということです。創作のほう、締切までによろしくお願い します。
酒井博久



出題

7月開催にちなんで「詰手数の末尾が7」を課題としたところ、集まったのは合計12局。 最短7手、最長107手です。当初は、長編が小峰氏の77手一局しかなく、バランスを懸念していましたが、 締切間際に森氏の長編三局が届き、ちょうどいいバランスとなりました。
なお、08-06 荻絵氏作は、受方の持駒が制限されていますので、ご注意ください。 解答締切は7月28日。一題でも解けた方は、ご解答・ご感想をお寄せください。
酒井博久



結果発表
まずは、諸事情により原稿作成の時間が取れず、結果発表が大幅に遅れたことをお詫びします。
さて今回は、詰手数に制限はあるものの、自由課題に近いものでした。長短硬軟取り混ぜた出題になりましたが、どちらかと言えば、簡単なほうでしたか。 ただし、トリの森氏作は、とんでもない作品でしたが・・・。
解答者は、榎○・小峰耕希・隅の老人B・たくぼん・もず・森茂・若林(五十音順、敬称略)の7名。もず氏を除く6名が全題正解でした。もず氏は時間 が不足していたようです。

酒井博久



08-01 たらう
  08-01 たらう 協力詰 7手
 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
             
             
 

29金 同と上 18金 同玉 17金 19玉 18金打 まで 7手

たらう−とりあえず持駒4枚シリーズが揃った。 香>桂>銀>金 というのが自己評価。

☆幕開けは、たらう氏の持駒趣向の連作です。

榎○−非常に簡単な金四連打、この後の問題の序奏ですね。

もず−たらうさんらしいミニマルなこれはさすがにすぐわかります。

隅の老人B−持駒趣向は良いが、一本道。口開けには、最適。

若林−あっさり並べ詰み。解図というより観賞用の何かを意図していると思うのだけれど、分からず。 <持ち駒シリーズ>とはいえ「?」

☆さすがに簡単ですが、最少の手数・駒数での表現を目指したものでしょう。

小峰−たらうさんの持駒一色7手詰シリーズ金編。 たくぼんさんのブログやフェアリーランドに出題された作品群ともシリーズ物になっているのでは?

☆持駒歩18枚(命名「南の空」)や持駒飛角4枚の作品ですね。
ただし、作者は今回のシリーズ以前に、すでに持駒一色シリーズを完成させています。
Web作品集「AWAKEN」 をご覧ください。

たくぼん−配置はいろいろありそうです。私なら配置は3枚の銀(18.28.38)にしそうです。

☆本図の「受方39と」は当初「攻方39歩」だったのですが、上記飛角4枚作の配置に近づけるために 変更されました。

−持駒趣向第一弾金4,易しいが隅三角形の趣向入り。

☆詰上りが三角形ということですね。



08-02 たらう
  08-02 たらう 協力詰 7手
 
                 
                 
                 
                 
           
                 
                 
                 
                 
 

46銀 65玉 56銀 75玉 86銀 66玉 67銀打 まで 7手

隅の老人B−W趣向。捨駒はないが、迷う処は多い。好作。

☆盤面飛一色対称形の美形。しかし、形に似合わず、紛れ多く詰めにくかったようです。

たくぼん−玉の横滑りは意外と気付き難い。苦戦しました。

小峰−シリーズの銀編。詰上りが見えないと泥沼にはまりそうです(はまりかけた)。

榎○−詰めあがり図の銀の形は簡単に思いつくのだがなにしろ紛れが多くて大変でした。

もず−初手が上からか下からか悩みます。この横に長い形の四銀詰は個人的には初見でした。

−解き始め、玉を上に追ったり下に追ったり随分時間を使いました。
横に追うことにしてから詰め上がり形を考えようやく解けました。私には今回の最難問でした。

☆実は私も、今回のたらう氏の連作中、これが一番時間が掛かりました。



08-03 たらう
  08-03 たらう 協力詰 7手
 
                 
                 
                 
             
               
                 
                 
                 
                 
 

47桂 54玉 46桂 53玉 45桂 44玉 36桂 まで 7手

若林−これくらいなら導入としてなら。

−少し考えさせられたが、詰め上がり形を考えて解きました。

隅の老人B−持駒は4桂。打って行けば終わる筈、それが意外と難しい。

☆作者もやや難しいのではと思っていたようですが、私は割とすぐ解けました。前局の方がはるかに難しかったです。

榎○−詰めあがりがこれしかないのであとは逆算で簡単。

たくぼん−ユーモラスな手順です。太郎さんらしくないと言えばらしくないが、初形は見事。

もず−これはわかりやすいですね。角2枚の配置が絶妙です。

小峰−シリーズ桂編。ここまでは全て一色図式でもある訳ですが、本局の角の配し方は手馴れていますね。

☆確かに、角2枚の配し方には年季を感じます。



08-04 たらう
  08-04 たらう 協力詰 7手
 
         
                 
                 
               
                 
                 
                 
                 
 

49香 55玉 56香 66玉 69香 57玉 59香 まで 7手

若林−4連作としては正直やや疑問。

☆という否定的評価もありましたが、大抵は肯定的評価でした。

隅の老人B−一瞥、上辺の駒配置に驚く。詰め上げて、成る程。

小峰−シリーズ香編。花駒を観察すれば解が浮かび上がって来る。
僕の好みとしては、客寄せ的短編作品は余り好きではなく、森氏の作品のような 本格的長編、もず氏のような華麗な構想作にどちらかといえば憧れるのですが、 客寄せもここまで徹底されてしまうと文句が言えません。

☆八段目の桂合禁止および51歩による二歩禁を考えると、57玉形での詰上りが見えてきます。 またその詰上り位置の設定により、香の打場所をすべて限定しているという仕組みです。

榎○−詰めあがりが綺麗です。

☆四香詰に加え、詰上り対称形です。ただ、この香4枚による詰上りには既視感が伴うようで・・・。

たくぼん−どこかで見たような・・・ルールが違ったか?

もず−北村太路氏作のアンチキルケでの似たような手順を思い出しました。
(第8回アンチキルケばか詰作品展 初3)

☆手順構成はよく似ていますね。ルールが違うので、意味付けは異なっていますが。

−一瞬にして解けました。記憶に有った作品という感じです。以前香4枚による詰め上がりを作ろうと考えたことが有るからです。
4作品揃えた趣向、見事です。

☆飯田岳一氏の普通詰にも(成駒を含まない)四香詰があったような・・・。ちょっと記憶があやふやですが。


08-05 たくぼん
  08-05 たくぼん 協力詰 7手
 
                 
                 
                 
             
                 
             
                 
             
               
 

45角 65玉 54角 74玉 83銀 73玉 72角成 まで 7手

たくぼん−今回は解答者に勝負の心理作です。らしい順を紛れにしました。
解かれると酷評は必至でしょう。特に58歩は紛れだけの為の駒で申し訳ありません。

小峰−作者得意の心理作出現! 64桂は余詰防止ではなく壁駒だったとは…。

榎○−相当苦労しました。下の方でいじくりまわしても詰まない、まさか上で詰むとは!

−直感で突き歩詰と思ったのが大間違いで道草を食ってしまいました。
48角を動かそうとして失敗、攻方駒で動くのは2枚とは思いつきませんでした。

隅の老人B−下辺の駒に騙された。たくぼんさんは、お人が悪い。
解き難そうに感じて後回しにしていた事もあり、一番最後に解けました。
ところで、解けてみても58歩の存在意義がわからなかったので教えて下さい。

若林−29飛がいかにも下段での余詰消しっぽくて迷わず上に追い出せました。
58歩は不要のようですね。

☆上記の通り、作者自認の不要駒です。やはり、ほとんどの方が惑わされたようです。

たくぼん−皆さんに謝っておきます。ゴメンナサイ。



08-06 荻絵香木
  08-06 荻絵香木 協力詰 7手
 
               
                 
             
             
           
             
         
             
           
 
 

49香 47金 52桂成 55龍 56桂 57香 58桂 まで 7手

荻絵−七手七合です。この作品は第5回九州Gフェアリー展5−1北村さんの作品に対する橋本さんのコメントに触発されそのときに作ったものです。 Fairy BBS でのやり取りも参考になりました。出す場所がなかった感じだったのでこのテーマは助かりました。
この作品についてですが結構苦労して作ったのでよく覚えています。二回同じ筋で香系の合駒を出すのがポイントでこれしか方法が なかった覚えがあります。ただ、残念なのは駒種が少ないことで、特に3手目は何とかならなかったものかという気がします。紛れは多いはずなのです が、全くのfmまかせで「と」をべたべたと置いただけ・・・
ちなみに九手九合or七手七種は絶対不可能だと思ったのですが、証明が出来るでしょうか。または反例を示せ(笑)

☆「北村さんの作品」および「橋本さんのコメント」については、第5回結果発表をご覧ください。

若林−並べてみて初手逆王手。丁度邪魔な金を動かしてまた逆王手。
このあたりで趣向が理解できました。こういう作品は単純に楽しむのが吉ですね。

−指し手が限定されているので難しくはありませんが、全手順逆王手は凄いです。

もず−これはすごいですね。かなり無理をしているものの、限界にまで来た感じが見えます。

たくぼん−オール王手ですか、記録的なことは分かりませんが意欲はかえます。

☆私も記録的なことは分からないのですが、難条件であるのは間違いないですね。
しかし、下記のように疑問視する意見もありました。

隅の老人B−作者の意図は理解できますが、さてと。

小峰−全手順王手の意欲作とは思うのですが、作者の長所が出てないというか、この仰々しい配置にこれだけ厳しい持駒制限した割には…という感じです。
まあ今は時間が足りないらしいので、それが解消した後の本格復活を待ちます。

☆作者は受験勉強中でしたか。合格を祈念しています。

榎○−全手順合駒、普通の詰将棋では出来ないのでしょうか?

☆出来る(?)でしょうが、最終手の設定が難しいような気が・・・。長いのは無理でしょう。



08-07 たくぼん
  08-07 たくぼん 協力詰 17手
 
                 
                 
                 
                 
                 
           
           
           
             
 

19銀 同と寄 29銀 同玉 18銀 同と寄 28金 同と右寄 38銀 同玉
29金 48玉 39金 57玉 58歩 47玉 57金 まで 17手

たくぼん−と金は全部不要駒ではありません。形だけが取り柄でしょう。
と金ブロックも最後は壁になるというストーリーです。

☆綺麗な密集形です。

隅の老人B−と金屋敷の箱入り娘を口説く。これだけ金銀があれば、なんとかなるさ。

☆と金の壁をどうほぐして、玉をどう追っていくか、という問題ですが・・・。

−てっきり14玉の詰め上がりと思い、目読で解けたと思いました。
念のため駒を並べてみたら銀が一枚不足でした。

小峰−最初上に追ったら手が続かなかったので、次に横に追ってみたら素直に詰み。

若林−素直に追い出す手順ですね。どこかで金先、とか何かアクセントが欲しい感じです。

☆確かにもう一味ほしい気もしますが、次のような評もありました。

もず−金と銀のどちらを先に消費するかが問題で、私は金と予測してはずしました。

榎○−金が一枚足りないとはいえ、歩を補充するのは盲点でした。



08-08 チャモ
  08-08 チャモ 協力詰 17手
 
           
         
           
               
               
               
                 
                 
                 
 

23桂 同と左 12香 同玉 11飛 同と 21銀 同と引 22飛 同と引
34角 23金 同角生 13玉 35角 24と寄 14金 まで 17手

榎○−いままではチャモという名前でしたがこれからは榎○でおねがいします。

☆というわけで、本作は「チャモ」さん最後の作品かも知れません。

榎○−08-07にやられました。初形の美しさが違いすぎる・・・。

☆偶然(?)似た傾向の作品が続きました。果たして、どちらに軍配が?

若林−ばらし問題2連続。限定のためのと金2枚は仕方ないとはいえ残念。
密集系くずしはキーとなる手が入らないとインパクトがないですね。

隅の老人B−角打までは絶連?、結果論ですね。解いている時は、それが分からず苦労する。

小峰−角の打場所を限定するための、45及び46のと金配置によって作意がばれてしまうのは残念な点ですが、 不成が入ったしFよりは良いと思う。

もず−2手目は直で取りたくなるところ。5手目から10手目のと金ずらしが面白いと思います。

☆初形の乱れは、やはり残念ですね。

榎○−下一桁が7ということで、最終二手はくっつけただけのようなものですが・・・。

☆ところが、最後の手順についてこんな意見もありました。

たくぼん−1三金は惜しいがと金なら詰まないから仕方なし。詰上がりは予想外の手順です。

−16手目の24と寄が上手い。

☆下は、この系統の作品についての感想です。皆さんのNo.1はどの作品でしょうか?

小峰−この17手詰2題を解いて思ったのですが、密集系で持駒を打ち捨てて玉を誘き出す筋としては、 加藤徹氏作の41手詰(パラ1976年7月)を手数・質共に越えるのはかなり難しい?
過去作をよく知らないので、本当にこれを密集系の決定版と言ってよいのかどうかは自信無しですが。



08-09 森茂
  08-09 森茂 協力詰 67手
 
                 
                 
                 
                 
             
             
 
   
 

87と 78玉 79歩 同圭 88と 67玉 78と 57玉 68と 47玉
58と 37玉 48と 27玉 38と 17玉 28と 同と 19香 18と
同香 27玉 28歩 37玉 38歩 47玉 48歩 57玉 58歩 67玉
68歩 77玉 78歩 68玉 69歩 同金 77歩 67玉 68歩 58玉
59歩 同金左 67歩 57玉 58歩 48玉 49歩 同金左 57歩 47玉
48歩 38玉 39歩 同金左 47歩 37玉 38歩 28玉 29歩 18玉
37歩 28香 19歩 27玉 28歩 17玉 18香 まで 67手

−同一手順の繰り返し趣向が目的。

☆本局から長編になります。まずは御大の趣向作です。

たくぼん−3手目香を取るとにっちもさっちもいかなくなる。ここがポイント。あとは流れるような趣向手順。きれいです。

もず−横に1往復半。1筋の折り返しが自然にできていてさすがだと感じました。

隅の老人B−1往復半の楽しい旅行。最後の香合は、流石ですね。

小峰−これは結構考えました。79に歩を打ち捨てるかどうかを保留したのを 除けば、21手目でと金を剥がす所までは一本道。ところがその後 1段目の金を1筋側からずらして、玉を龍に近付けようとしたのが 苦労の始まり。理屈で考えれば作意の方が龍の効きを遮らずに済むし、 香を取らせるのもスムーズに行えるのですが、解いてる最中は有限な歩を どんどん並べるのは勇気が要るし、龍から遠ざける収束も排除しがち。
似たような形の作品が、課題「趣向作」の時に、やはり森氏作でありましたが、 そちらを自力で解いていないせいか、僕が本局が解けたときに連想したのは、 パラ5月号FL掲載の協力自玉詰80手でした(こちらは自分で解いてますから)。 歩を巧くやり繰りして、玉を左右に振り回すのが似た感覚です。

☆課題「趣向作」の方は、06−07(57手)をご覧ください。

榎○−どこかでみたことあるような図、という印象を受けましたが、結構簡単に詰みました。

若林−これは楽しいですね。ピンされた龍シリーズですか。破調のない1.5往復、素直に楽しませていただきました。
ピンされた角もそろそろ見たいですね、とか思っていたら。

☆この感想は、08-12に続きます。



08-10 小峰耕希
  08-10 小峰耕希 協力詰 77手
 
                 
                 
               
             
                 
                 
 
             
 
 

48圭 28玉 38圭 29玉 39圭 18玉 28圭 同玉 29歩 38玉
39歩 49玉 59金 39玉 49金 29玉 39金 18玉 28金 同玉
29歩 38玉 39歩 48玉 49歩 58玉 59歩 68玉 69歩 79玉
89金 69玉 79金 59玉 69金 49玉 59金 39玉 49金 29玉
39金 18玉 28金 同玉 29歩 38玉 39歩 48玉 49歩 58玉
59歩 68玉 69歩 78玉 79歩 88玉 89歩 98玉 99歩 97玉
98歩 86玉 85金 76玉 75金 66玉 65金 56玉 55金 46玉
45金 36玉 35金 26玉 25金 16玉 15金引 まで 77手

小峰−序は出来る限り最大化してみたというだけで、正直言って在り来たりです。 収束(86玉以下)は幾つかのパターンを考えました。持論として、趣向作に おいては趣向と無関係な手はなるべく削るべきだし、まして難解な収束は、 楽しい趣向の雰囲気を壊すので良くないと思っています。そういう意味で、 趣向の延長のような手順で収束出来、使用枚数も少なくて済む案を採用しました。
後、これは創作過程の終盤になって狙ったものですが、初形は全使用小駒図式で、 詰上りは対子図式です。33圭で収束の余詰を全て消せたのが幸運でした。

☆趣向手順は楽しんでもらえたようですが、収束については賛否両論ありました。

榎○−こういう趣向は好きです。考えなくても楽しめる。

−九段目の成桂と金二枚の横押しの繰り返しが狙いでしょう。

もず−歩のたたきと金追いの趣向は見せられてみるとなるほどという感じです。上部に追いだしての収束でうまく77手にまとまったあたり、 逆算が大変だったのではないでしょうか。

たくぼん−何回手数を数えても79手になる・・・。散々悩んだ挙句、やっと9八歩に9六玉と逃げていることに気付く。
恥ずかしくて人にはいえませんが・・・・。8四金→8五金なら79手ですか・・・ってこの作品展には出せないんですね。

隅の老人B−右辺での折り返しは、易しいが巧みな出来。収束の金ずらしは、蛇足の気もします。
易しく、楽しく、これも協力詰創作の一方向でしょうね。

若林−玉を上部に追い出すまでの99金消去の趣向が良かったです。
収束は正直手数合わせの感が否めませんが、77手にしたい気持ちは分かります。
使用駒も綺麗に収まりましたし。

☆使用駒についても気づいてもらえてよかったですね。



08-11 森茂
  08-11 森茂 協力詰 77手
 
                 
                 
                 
             
             
   
   
     
     
 

18金 同玉 19歩 17玉 27金 同玉 18金 38玉 28金 48玉
38金 58玉 59歩 同と上 48金 68玉 79角 同と上 58金 78玉
68金 87玉 88歩 同桂成 78金 97玉 88金 96玉 97歩 95玉
96歩 同と 87桂 同と右 96歩 同玉 87金 85玉 76金 95玉
85金 96玉 95金 97玉 96金 87玉 97金 88玉 89歩 同と
87金 78玉 79歩 同と左 88金 68玉 69歩 同と左 78金 58玉
59歩 同と左 68金 48玉 49歩 同と左 58金 38玉 39歩 同と左
48金 28玉 29歩 27玉 38金 17玉 28金 まで 77手

−似たような作を投稿するのは気が引けるが、詰め上がり位置の違う作がもう2作品あり、 どうしたものだろうか、没にすべきか迷っております。

☆このくらいの趣向作はいくらでも、という感じなんでしょうね。解答者には総じて好評でした。

榎○−これも簡単ですね。08-09とかぶってる感じもしましたが。

小峰−今回の森氏の3作の中では最も易しい。折り返し方が巧いと思った。

たくぼん−折り返し順が分かればあとは簡単。うまいものです。

若林−収束が爽快。折り返し部分に結構悩まされました。

隅の老人B−左辺での金の回転が、お気に入り。収束の趣向は楽しいが、少しアッケない気もします。

もず−左辺でのやりくりに少し苦労しましたが、解けてみればすっきりとした金追いですね。
7の縛りがなかったらどんな図になるのかも興味があります。

☆折り返し部分の作りが特に好評でした。もずさんの興味にも同感です。


08-12 森茂
  08-12 森茂 協力詰 107手
 
                 
             
         
             
           
         
         
             
       
 

96角成 68玉 69馬 57玉 79馬 47玉 69馬 37玉 59馬 36玉
69馬 26玉 59馬 25玉 69馬 47歩成 26歩 24玉 25歩 15玉
59馬 37と 16歩 14玉 15歩 25玉 26歩 36玉 69馬 46玉
79馬 68桂成 47歩 45玉 89馬 67圭 46歩 同玉 79馬 57圭
47歩 45玉 89馬 56圭 46歩 同玉 47歩 同と 79馬 57と
47歩 45玉 46歩 36玉 69馬 26玉 59馬 25玉 69馬 15玉
59馬 14玉 69馬 47圭 15歩 同玉 59馬 37圭 16歩 14玉
69馬 36圭 15歩 同玉 59馬 25玉 26歩 同圭 69馬 15玉
16歩 同圭 59馬 25玉 26歩 14玉 15歩 同圭 69馬 25圭
15歩 24玉 25歩 15玉 59馬 25玉 69馬 26玉 59馬 36玉
69馬 37玉 29桂 同香成 48金 28玉 38金 まで 107手

−二年前に作った作品。狙いは、玉方「と金」と成桂の位置交換です。

☆本局は、今回の最長手数作であるとともに最難解作でもあったようです。各氏の評にも力が入っています。

若林−先ほど触れたピンされた馬登場。唯一の難問で、解図時間はほぼこの問題に費やしました。
幸い初形から桂を入手しての収束が見えたので目的は発見。しかしそこからが大変。
圭の移動ルートの確定や、と金処理にだいぶ悩まされました。決まってしまえば「ああなるほど」という手順なのですが。

隅の老人B−最初は46の歩を取るのに専念、ダメ。敵玉とさまようこと、数日。今度は76桂が取れるかもと考える。
また数日、成桂と彷徨、意外な処で取れました。先が見えないのに駒を動かすのは辛い。難しい。
よくまあ、こんな手順を創り出すと、ほとほと感服。

小峰−難度も完成度も今回出題作中ではダントツの。僕が最後に解けたのはDと書きましたが、最も時間を掛けたのはやはり本局でした。
馬を下段で行き来させ、玉・と・圭を操れば良いので簡単かと思いきや、いきなり持駒不足&手数大幅越でビックリ。 この原因はと金も圭のように鋸移動で取ろうとしたためで、こちらは割とすぐに修正出来た。更に収束も右下の配置を利用した絶妙な手順を見付け、 今度こそ解けたと思ったが、またしても4手オーバー。こちらの原因は、@最初と金を作る際に玉を14まで引いたために2手と、 A更にと金と圭の組換えを終え玉を再び右辺へ持って行く際に、47歩、45玉、46歩としなければならない所を、47歩、同玉、69馬としたために ロスした2手だったのでした。散々悩んでから解けただけに、達成感は一入です。

たくぼん−初め4六歩を取る順で考えたが上手くいかず、入れ替えて成桂を取る順に気付く。が76手目流れからいっても2六成桂のはずが どうしても2手オーバーしてしまう。2五玉、2六歩の順に気付くまでかなり悩みました。
ピンされている駒が多いので指し手は限られているはずが、なかなか答えにたどり着けずこれぞ森流といえるでしょう。今回では一番でしょう。

榎○−とにかく難解で仕方ない!!1,2,4筋にしか歩は打てないというのと不自然な位置の桂を頼りに桂を入手するだろう、と考えるところまではいいのですが、 なにしろその方法が難しい!!なおかつその意味がわからない!!歩いているときに香車を蹴飛ばしてなかったら解けなかったと思います。

☆限られた可動駒で少しずつ局面を変化させていく手順は見応えがあります。今回の収穫でしょう。解けなかった方も、ぜひ手順をご鑑賞ください。



総評など
若林−作図できなかった身で言うのは何ですが、ちょっと物足りない感もあったのが正直なところです。
それはそれとして、今の解図力だと手軽な長編が良い感じで楽しめますね。

隅の老人B−このごろ、フェアリーの解答に填っています。解いても解いても、後から後から出題される、すこしウンザリ気味。 フェアリーには、いろいろなルールがありますが、九州Gは慣れ親しんだ協力詰、気軽に取り組めて、楽しめ?ます。
1から11までは、トントン拍子で解ける。少しは腕が上がったのかなと、自惚れ心。 ところが、12がサッパリ解らない、高くなった鼻がポキン。
たくぼんさんから始まって、OFM、九州G、加えて妖精都市と、ルールブックを片手に、連日、フェアリーの世界を訪問。 何時になったら、パラ誌に辿りつけるやら。

小峰−昨年から公約していた作品参加をようやく実現しました。内容は今一ですが、それでも森氏の作品に挟まれての出題はとても良い思い出になります。
多作ではないので絶対とは言えませんが、次回も創作・解答共に参加したいです。

☆今回は、ご投稿ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。

たくぼん−たらう氏の4作は詰四会で頂きたかったなあ(笑)長編の4作は楽しめる作品群でした。いつも思いますが、中編は創るのが難しいのでしょうね。

榎○−全部解けたのが奇跡のようだ・・・。

もず−今回は作る方で参加できず残念です。今までの中では自由課題に最も近い回で、そうなるとそれぞれの方の個性がより強く発揮されますね。

☆わざわざご解答いただき、感謝します。次回はできれば作る方でもご参加ください。



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おもちゃ箱 - 詰将棋メモ 2006年04月30日