第6回
■ 2005年11月03日: 課題発表: 趣向作(協力詰)
■ 2005年12月31日: 投稿締切
■ 2006年01月01日: 出題
■ 2006年01月31日: 解答締切
■ 2006年02月01日: 結果発表
■ 課題発表
□第6回は九州Gフェアリー別館独自の課題になります。
急なスケジュール変更で作る方にとっては慌ただしいかも知れませんが、よろしくご協力ください。
□第6回の課題案を寄せられたのは、小峰耕希・たくぼん・チャモ・もず・若林(五十音順)の五氏。
そのうち、たくぼん氏の案を採用して、次回の課題は「趣向作(ミニ含む)」とします。
□残念ながら、今回採用されなかった方も、次の機会にまた提案してくださるようお
願いします。
酒井博久
■ 出題
□趣向=面白みを出すための工夫というのが辞書的な意味ですが、
詰将棋においては(1)外的な趣向と(2)内的な趣向が考えられます。
□(1)は形(初形・詰上り)や使用駒(盤面駒・持駒)に関するものであり、
(2)は手順(反復性など)に関するものです。
□今回の出題作は(2)が中心ですが、(1)も含まれています。
それぞれの趣向をお楽しみください。
また、手数は1桁から300手超えまで、難易度も硬軟入り交じっていますが、
1題でも解けた方は解答・感想をお寄せください。
【注1】 【06-05】および【06-08】は、受方の駒が制限されていますので、ご注意願います。
【注2】 成香=杏、成桂=圭と略記しています。念のため。
酒井博久
■ 結果発表
□今回の課題は、たくぼん氏の提案により、「趣向作」ということでした。
出題数が多い上に難解作・長手数作も含まれていたので、解答者の減少を懸念したのですが、
全題解けなくても解答をお寄せいただいた方もあり、心配したほど減りませんでした。
□解答者は、今川健一・小峰耕希・たくぼん・チャモ・橋本孝治・もず・森茂・若林
(五十音順、敬称略)の8名。うち全題正解者は、下記の3名でした。
酒井博久
【全題正解者】(敬称略)
たくぼん、橋本孝治、森茂
☆今回も解説稿の作成に時間が取れず、ほとんど短評の羅列に終わってしまいました。
あらかじめお詫びしておきます。
□次回からは、締切日を早めようと思っています。
■ 06-01 たくぼん
49金 同飛生 68金 59玉 58金打 まで 5手
たくぼん−言い出しっぺのくせに簡単なものばかりで申し訳ありません。
全体的にハードなので客寄せにはなったでしょう。
☆たくぼん氏からは3作の投稿がありましたが、本作と次作は「おまけ」ということでした。
橋本−新年の出題を見越した「1」の趣向。洒落てます。
若林−一目なんですが初形曲詰、持ち駒趣向。5手なら充分。
もず−左右対称からわかりやすい手順。1問目としてちょうどいいですね。
☆初手は69金から入ってもいいのですが、その解答は2名でした。
チャモ−金の打ちっぱなし趣向ですか?非常に簡単で客寄せ作品ですね。
☆作者は「初形1の趣向」ということでした。
今川−5手詰は簡単?、いいえ飛生で苦しみました。
小峰−これはさすがに簡単…の予定だったのですが、2手目に気付くのが遅過ぎたため、
少なく見積もってもおそらく10分掛かってます(実際にはもっとだと思う)。
☆これは意外・・・。
■ 06-02 若林
29桂 27玉 39桂 36玉 35と 同玉 47桂 45玉 37桂 44玉
36桂 43玉 44歩 34玉 46桂 まで 15手
若林−純粋なばか詰って殆ど作ったことがなくて、それも趣向作。
あまりにもアレでしたらボツにしてください。
☆やはり息抜きになるような作品も必要と思います。
橋本−四桂詰にヤマを張ったら一発で解けました。何の趣向かを先に考えるのが、
今回の出題を早く解くコツ?
もず−はじめは手がかりがつかめませんでしたが、
四桂で詰むと想定したら手順が見えました。
☆似たような感想ですね。
チャモ−盤面と金だらけで詰めあがり四桂。W趣向ですね。
たくぼん−4桂詰と思いましたがと金を取っちゃいましたね。初形はきれいです。
☆初形については、作者から「時計図式とでも言ってみましょうか」というコメントが
ありました。
今川−と金図式で死刑宣告?。協力詰なら、なんでも出来る?。
☆「なんでも」かどうかはともかく、普通詰では困難な夢が実現できることが多いですね。
■ 06-03 たくぼん
29龍 同玉 38銀 28玉 29銀 37玉 38銀 36玉 47銀 35玉
24銀 44玉 33銀生 55玉 56香 まで 15手
たくぼん−詰上り「犬」というだけです。解答発表が2月だと時期はずれっぽいですね。
今川−これも年賀詰?。たくぼんさん、今年も宜しく。
若林−そういえば初めて解いた詰めあがり曲詰かも。
☆本作、短手数の曲詰にもかかわらず、「難しい」という声が多かったです。
橋本−詰上り「犬」はある程度予測していたのですが、36桂を残したい心理が働いて、
なかなか本筋に入れませんでした。
小峰−たくぼんさんの3作の中ではこれが一番難しかったです。原因は3筋の桂香配置から、
開き王手をするのだと思い込んだため。
□詰め上がりは予想通り都詰でしたが、「犬」でしたか。
チャモ−はじめ銀上り趣向だと思って苦戦しました。詰めてみると、「犬」。
森−遠くにある香が取れることに気づかず一番てこずった。
□玉が隅から中央に移動して可愛らしい犬の字、面白い趣向。
☆3筋の配置がカモフラージュして、銀の遠征に気づきにくかったようですね。
もず−「犬」がわからなかったので45桂を取る手順ばかり考えていてかなり手こずりました。
香の方を取るんですね。
□49の銀は47に置いておけばスイッチバックになりますが、
詰め上がりが見えそうなのを嫌ったのでしょうか。
☆なるほど。その案もありましたね。
■ 06-04 チャモ
99歩 97玉 17飛 87金 98歩 96玉 16飛 86金 97歩 87玉
88歩 97玉 17飛 87金 98歩 86玉 87歩 96玉 97金 まで 19手
チャモ−前回課題作を投稿できなかったので、それを晴らすために、と気張ったものですが、
なかなか良いものが出来なくて・・・。
□趣向詰になっているか?という感じのものになってしまいました。
橋本−ばか詰の基本手筋そのままですね。何か独自の工夫とか装飾が欲しいところです。
もず−作意は玉金飛の垂直の動きが強調されていて面白いと思います。
若林−遠隔操作が上手く効いていますね。
小峰−配置から容易に筋がわかりました。05-13の荻絵氏作と似ているような気もします。
☆恐らく創作のモチーフは、ご指摘の荻絵香木氏作にあるのでしょう。
荻絵作については前回分をご参照ください。
□なお、今回出題の森氏の両作も、荻絵作がヒントになっています。
今川−冬山なのに、満開の花。お金儲けに精を出す。
チャモ−手順はともかくとして、花(壁)駒をなんとかできなかったものか・・・。
たくぼん−花駒無しならかなりすっきりしそうですね。
☆受方持駒制限の図にしたほうがよかったですかね?
■ 06-05 荻絵香木
99馬 88歩 同馬 77歩 同馬 66歩 同馬 55歩 同馬 44歩
同馬 33歩 同馬 22と直 同馬 同飛生 12歩 21玉 11歩成 32玉
33歩 同玉 34歩 同玉 35歩 25玉 26歩 16玉 17歩 27玉
38銀 26玉 27銀 25玉 26歩 15玉 16歩 まで 37手
荻絵−見え見えの、七連合です。客寄せにでもなればと思います。
最後打合でないのが残念。
□駒数最小を目指しましたが、そのせいで収束わかりにくいかも・・・。
橋本−歩のオーロラが見事。持駒の無駄遣いを許さない収束でパズル性も出ています。
チャモ−歩の連続合駒7回、あとは、無理なく無駄なく歩を消費。
若林−歩を全力でむしりとってみて詰ましに行ったら解けていました。
あっけないけれど8連合は楽しさ充分。
☆うーむ。間は7箇所しかありませんが・・・。
小峰−前半の馬で歩を稼ぐ手順が趣向なのでしょうが、後半が余り面白くない。
□でも駒数を増やさずに持駒制限で余詰を防ぎ切った点は評価出来る。
今川−作者曰く、「手に入れた歩の消費に苦労。」
☆普通作でもそうですが、連合物は取った駒の消化が大変です。
今川さんの予想は外れましたが。
たくぼん−花駒が無いとすっきりして気持ちいいですね。
連続歩合いはお約束ですが、狙いが見事に実現されています。
☆確かに駒数少なくすっきりしていますね。作者が「最小」というのもむべなるかな。
もず−露骨な7連合。うまく歩を消費する収束につながりました。
□馬は99に置いておいて、43の香を44に置いて43香生から始める方が好みです。
☆この辺は好みの問題でしょうが、もずさんの推敲案は参考になります。
■ 06-06 たくぼん
92歩 同飛 82角 同玉 94桂 72玉 82桂成 62玉 72圭 52玉
62圭 42玉 52圭 32玉 42圭 22玉 32圭 11玉 21圭 12玉
11圭 22玉 21圭 32玉 31圭 42玉 41圭 52玉 51圭 62玉
61圭 72玉 71圭 82玉 81圭 72玉 82圭 同飛 64桂 81玉
72桂成 92玉 82圭 93玉 92飛 まで 45手
たくぼん−ほぼ絶対手順ですので物足りないかもしれませんが、
少しは趣向作らしいかな・・・と。類作が怖いです。
森−ほぼ絶連手ではあるが、配置と手順が面白い。
もず−成桂で追って一往復。わかりやすくてすっきりした配置で好感が持てます。
☆本作、見た目もきれいですよね。
若林−分かりやすく趣向手順。収束の味が良いですね。
チャモ−非常にわかりやすい長編の入り口ですね。
小峰−僕が解いた事のあるたくぼんさんの協力詰の中ではこれが一番素直。
それでも▲8二成桂△同飛の辺りで少し悩みましたが。
今川−詰むのかなと、成桂1騎で追っかける。これが詰むから、不思議。
☆おおむね好評でしたが、作者が心配した点もやはり指摘されました。
橋本−よくある手順なので、象形か何かにして付加価値をつけたいところ。
■ 06-07 森茂
29桂 同金上 38歩 47玉 59桂 同金上 48歩 57玉 69桂 同香成
58歩 67玉 68歩 78玉 79歩 同杏 86香 77玉 78歩 68玉
69歩 同金 77歩 67玉 68歩 58玉 59歩 同金左 67歩 57玉
58歩 48玉 49歩 同金左 57歩 47玉 48歩 38玉 39歩 同金左
47歩 37玉 38歩 28玉 37歩 38金 29歩 17玉 18歩 16玉
28桂 同金 17歩 27玉 28歩 37玉 38金 まで 57手
森−途中九段目に並んだ四金を一路ずつ右移動させる順繰り手順が主な趣向です。
□全部移動する四金を初形で方形に揃えたのも一つの趣向のつもりです。
チャモ−全くわかりません。金が9段目にずら〜っと並んでも詰む気配なし。
若林−趣向手順っぽく進めてみたら9段目に金が並ぶ。
そのまま収束不明のまま右に押し戻してみたら桂で金が釣れる! おお! 解けて嬉しかった一作。
☆難解作第1弾! その原因は・・・。
たくぼん−1歩足りずに悪戦苦闘。86歩は囲み駒と見えました。だまされた〜!
今川−違った詰上がり図を想定。1歩不足で厖大な時間を消費。
橋本−突歩詰の詰上りを想定して、1歩不足で悩みました。やはり森氏の作品は手強い。
☆作者曰く、「端の突き歩詰を作意として創作開始、fmが見つけた収束に切り替え
る。情けない」と。 難解さの原因は、この辺にあるようです。
■ 06-08 もず
17歩 同玉 35角成 16玉 34馬 17玉 44馬 16玉 43馬 17玉
53馬 16玉 52馬 17玉 62馬 16玉 61馬 17玉 71馬 62歩
同馬 16玉 61馬 25圭 17歩 同玉 71馬 62歩 同馬 35圭
18歩 16玉 61馬 34圭 17歩 同玉 71馬 62歩 同馬 44圭
18歩 16玉 61馬 43圭 17歩 同玉 71馬 62歩 同馬 53圭
18歩 16玉 61馬 52圭 17歩 同玉 71馬 62歩 同馬 26香
同馬 18玉 17馬 同玉 18歩 16玉 17香 まで 67手
もず−本当は馬をもっと暴れさせたかったのですが、うまい配置を作れなくてこのよ
うに地味な展開になりました。成桂配置もこれ以外ありませんでした。
小峰−僕の素人考えでは、協力詰は攻方駒の効きが強いとすぐ余詰むため、馬鋸を作
るのは難しいのではと思っていたので、ちょっと驚きました。
□受方の成桂で飛の効きを遮断して詰ますという機構も見事ですが、最後の馬捨も印象に残りました。
チャモ−成桂&馬鋸!!そして、収束は馬切から、打ち香詰!!カッコいいです。
今川−二重に飛の利きを遮る。気付いて、「ウウーン」と感心。
橋本−最初は歩を入手して何をするのかと思ったのですが、圭鋸が狙いでしたか。
飛の利きを遮るため、という意味付けが割と珍しいですね。
若林−OFMから始まった「何もないところに向かう馬ノコ」という概念が確立したと
言っても良いかと思います。
□この問題の場合の目的は歩合の入手ではなく、
本題は香のセルフピンを解消するため
の圭の呼び出し場所の確保。収束も非常に美しい原型回帰。
☆最後は還元玉ですね。ご指摘のOFM出題作とは?
たくぼん−10の荻絵作と似たような鋸趣向ですが目的が違い分かりやすく楽しめます。
持駒制限も正解でしょう。
☆使用駒数の少なさが、詰上りの美しさに花を添えている感があります。
■ 06-09 神無七郎
27角 29玉 38角 18玉 27角 29玉 18角 38玉 29角 37玉
38歩 47玉 37歩 38と寄 48歩 同と右 38角 58玉 49角 57玉
58歩 67玉 57歩 58と右 68歩 同と右 58角 78玉 67角 87玉
78角 98玉 89角 87玉 98角 78玉 87角 67玉 78角 58玉
69角 57玉 58歩 47玉 57歩 58と引 同角 38玉 47角 37玉
38歩 28玉 29歩 同玉 37歩 38と引 同角 18玉 27角 29玉
18角 28玉 29歩 37玉 38歩 47玉 59桂 38玉 39歩 49玉
27角 38と 同角 58玉 47角 48玉 49歩 37玉 38歩 まで 79手
橋本−九州G別館向けの趣向作を作ろうと思っていじりはじめたのですが、収束を変
に凝ったため、「狩シリーズ」っぽくなってしまいました。
☆難解作第2弾! 「狩シリーズ」は神無三郎氏の密室物連作。作者は収束が難しい
点を懸念されていましたが・・・。
今川−全く詰上がり図が浮かんでこない、完敗。
チャモ−これも全くわかりません。詰め上がり図すら思いつかなくて、と金が自分の
持ち駒になるも、詰む気配なし。
若林−ギブアップ。方向性が見えず、手探りする手順も浮かびません。46,66どちら
かの桂吊るしで詰むのでしょうか。
☆というように、白旗続出でした。それだけに解けた人には好評でした。
たくぼん−いったいどうやったらこんな作品が出来るのか? 序の流れも収束も分か
るのにそれを繋ごうとするとどうしても4手オーバーする。
□どこかに短縮できる手順があるはずと探すこと半月。それにしても67角とは・・
・。趣向からいっても行き掛けの駄賃からいっても絶対69角のはずだよなあ。
□本当に驚愕の1手でしたがこれは狙って創っているんでしょうか? 恐れ入りまし
た。
☆徹底的に角を使う趣向ですが、その中に破調の一手があるとは予測しがたいです。
□ただし、次のように改良の余地を指摘する意見もありました。
森−28歩は不要駒だし、もう少し取れる駒や移動する駒を配置すれば10手位は延ばせ
そう。このままでは少し勿体ない感じ。
☆作者は手数を延ばすことは意図していなかったのでは? とにかく難解な作品でし
た。
■ 06-10 荻絵香木
93杏 同玉 94歩 同玉 95歩 同玉 96歩 同玉 97歩 同玉
79馬 96玉 69馬 95玉 59馬 86歩 96歩 同玉 69馬 87歩生
97歩 同玉 79馬 88歩生 98歩 96玉 69馬 78金 97歩 95玉
96歩 94玉 95歩 同玉 59馬 94玉 49馬 58金 95歩 同玉
59馬 68金左 96歩 94玉 49馬 58香成 95歩 93玉 39馬 57杏
94歩 同玉 49馬 67杏 95歩 93玉 39馬 66杏 94歩 同玉
49馬 76杏 95歩 93玉 39馬 75杏 94歩 同玉 49馬 85杏
95歩 93玉 39馬 84杏 94歩 同玉 95歩 85玉 49馬 75玉
39馬 76玉 49馬 66玉 39馬 67玉 49馬 57玉 39馬 58玉
49馬 同金 18飛生 69玉 68飛 59玉 58金 まで 97手
チャモ−解けかかったけど、TIME OVER(1月30日).金をほぐしていって、
最後には飛車をとる手順だと思いますが。
今川−詰上がりは、78金打、迄と思うが、これも完敗。
☆ご両名ともハズレでした。本作も難解でしたね。
荻絵−玉鋸とそれを達成するための杏鋸が狙いです。杏と金の組み換えを発見して
少しは紛れが出たかなと。初形の杏が終形で復元する(受方のですが)のが結構気に
入っています。
もず−解くのが大変でした。非限定を消すのが大変そうな趣向ですがうまく手をつない
でいますね。こういう収束になるとは予想できませんでした。
橋本−この作が最後に解けました。最初は67金→97金の移動を考えて駒不足。
67金→78金と決めてからも、57香と48金を5・6段目に運ぶ筋にはまって手数不足。
結局収束を先に考えて、ようやく48金→68金に気付きました。
□分かってみればこれが一番素直な筋なのですが、いろいろな手段があるだけに
紛れに陥りやすいようです。とても充実したパズル作品でした。
森−単純に駒を動かすと行き詰まる。苦し紛れにいろいろ試しているうちに、68成香とした
後、48金を84に運ぶ手順があることに気づいて、ようやく解ける手が見えてきた。
□巧妙な作品。
☆という具合に、好評を集めました。まさに「巧妙」という言葉がぴったりの内容です。
若林−ピンされた馬をどう使うか。05-13をどうしても思い出しますね。18飛の実現
だろうと目処を付けるが難航。杏ノコ→玉ノコの手順と、その前の舞台作りが良かったです。
☆04チャモ氏作、07・11森氏作もそうですが、前回13の荻絵氏作の影響は大きかったようですね。
たくぼん−すばらしい傑作! 当初考えていた順では詰まず試行錯誤しました。
□玉の進路の邪魔になる香を消去というか退かす手順は、協力詰でしか味わえないで
しょう。TopIX有力候補です。
☆という声もあがりました。TopIXについては 妖精都市 をご参照ください。
■ 06-11 森茂
49歩 47玉 97飛 77歩成 48歩 46玉 96飛 76と 47歩 同玉
97飛 67と 48歩 46玉 96飛 66と 47歩 同玉 97飛 57と
48歩 46玉 96飛 56と 47歩 同玉 48歩 37玉 97飛 47と
38歩 46玉 96飛 86歩 47歩 同玉 97飛 87歩成 48歩 46玉
96飛 86と 47歩 同玉 97飛 77と 48歩 46玉 96飛 76と
47歩 同玉 97飛 67と 48歩 46玉 96飛 66と 47歩 同玉
97飛 57と 48歩 46玉 96飛 56と 47歩 同玉 48歩 38玉
39歩 37玉 97飛 47と 38歩 46玉 96飛 86香 47歩 同玉
97飛 87香成 48歩 46玉 96飛 86杏 47歩 同玉 97飛 77杏
48歩 46玉 96飛 76杏 47歩 同玉 97飛 67杏 48歩 46玉
96飛 66杏 47歩 同玉 97飛 57杏 48歩 46玉 96飛 56杏
47歩 同玉 48歩 38玉 39歩 37玉 97飛 47杏 38歩 46玉
96飛 86歩 47歩 同玉 97飛 87歩成 48歩 46玉 96飛 86と
47歩 同玉 97飛 同と 49香 48飛 同香 38玉 39飛 28玉
29飛 18玉 28金 まで 143手
森−9筋を二段しか上下できない飛と、4筋で捨てる歩の協力により、
8手サイクルで玉方の駒を一筋ずつ移動させる趣向。
チャモ−全くわかりません。歩があっても143手もかけてすることが見当たらない。
もず−さすがの一言。これだけで壁として機能するものなんですね。
橋本−06-04で使われた手筋の模範的な応用例とも言える作品。
□香をはがしてからも、すぐに収束するのではなく、メインの趣向手順を
髣髴とさせるミニ鋸が導入されるなど、趣向作として完璧な構成です。
☆機能的配置・構成が光っていますね。
若林−ピンされている駒を利用した呼び出しハガシ。最後に飛車まで再利用する収束
まで堪能しました。
□これも05-13に対する返答なのか違うのか、ちょっと興味が。
☆作者「05-13荻絵香木氏の作品がとてもおもしろかったので、その作品にヒントを
得て作りました」とのこと。06-04も同様です。
たくぼん−駒の取り方に気付けば楽しめる内容です。収束は49歩〜48飛かと思ってい
ましたが想定外でした。
☆作者「作り始めは収束が少しややこしい145手でしたが、収束を10手縮め、節約できた
歩一枚は趣向部8手に転用しました。」ということで、当初の収束案は、たくぼん氏の想定
内だったみたいです。
■ 06-12 荻絵香木
24飛 45玉 44飛 55玉 45飛 64玉 65飛 74玉 64飛 85玉
84飛 95玉 94飛 85玉 95飛 74玉 94飛 65玉 64飛 55玉
65飛 44玉 45飛 34玉 44飛 25玉 24飛 15玉 14飛 25玉
15飛 34玉 14飛 24歩 同飛 45玉 44飛 55玉 45飛 64玉
65飛 74玉 64飛 85玉 84飛 95玉 94飛 85玉 95飛 74玉
94飛 65玉 64飛 55玉 65飛 44玉 45飛 34玉 44飛 25玉
24飛 15玉 14飛 25玉 15飛 34玉 14飛 24歩 同飛 45玉
44飛 55玉 45飛 64玉 65飛 74玉 64飛 85玉 84飛 95玉
94飛 85玉 95飛 74玉 94飛 65玉 64飛 55玉 65飛 44玉
45飛 34玉 44飛 25玉 24飛 15玉 14飛 25玉 15飛 34玉
14飛 24歩 同飛 45玉 44飛 55玉 45飛 64玉 65飛 74玉
64飛 85玉 84飛 95玉 94飛 85玉 95飛 74玉 94飛 65玉
64飛 55玉 65飛 44玉 45飛 34玉 44飛 25玉 24飛 15玉
14飛 25玉 15飛 34玉 14飛 24歩 同飛 45玉 44飛 55玉
45飛 64玉 65飛 74玉 64飛 85玉 84飛 95玉 94飛 85玉
95飛 74玉 94飛 65玉 64飛 55玉 65飛 44玉 45飛 34玉
44飛 25玉 24飛 15玉 14飛 25玉 15飛 34玉 14飛 24歩
同飛 45玉 44飛 55玉 45飛 64玉 65飛 74玉 64飛 85玉
84飛 95玉 94飛 85玉 95飛 74玉 94飛 65玉 64飛 55玉
65飛 44玉 45飛 34玉 44飛 25玉 24飛 15玉 14飛 25玉
15飛 34玉 14飛 24歩 同飛 45玉 44飛 55玉 45飛 64玉
65飛 74玉 64飛 85玉 84飛 95玉 94飛 85玉 95飛 74玉
94飛 65玉 64飛 55玉 65飛 44玉 45飛 34玉 44飛 25玉
24飛 15玉 14飛 25玉 15飛 34玉 14飛 24歩 同飛 45玉
44飛 55玉 45飛 64玉 65飛 74玉 64飛 85玉 84飛 95玉
94飛 85玉 95飛 74玉 94飛 65玉 64飛 55玉 65飛 44玉
45飛 34玉 44飛 25玉 24飛 15玉 14飛 25玉 15飛 34玉
14飛 24歩 同飛 45玉 44飛 55玉 45飛 64玉 65飛 74玉
64飛 85玉 84飛 95玉 94飛 85玉 95飛 74玉 94飛 65玉
64飛 55玉 65飛 44玉 45飛 34玉 44飛 25玉 24飛 15玉
14飛 25玉 15飛 34玉 14飛 24歩 同飛 45玉 44飛 55玉
45飛 64玉 65飛 74玉 64飛 85玉 84飛 95玉 85飛 同銀
96歩 同玉 97歩 同玉 98歩 88玉 89歩 78玉 79歩 68玉
69歩 58玉 59歩 48玉 49歩 37玉 38歩 36玉 37歩 47玉
48歩 57玉 58歩 67玉 68歩 77玉 78歩 76玉 77歩 75玉
76歩 74玉 75歩 83玉 82金 同玉 92香成 72玉 82杏 61玉
52金 まで 361手
荻絵−持駒増幅機構がやたら大掛りというだけの作品です。こういうのは趣向と言わ
ないのかも・・・。長編だからってこんなに紛れがなくてはなぁ。
若林−75桂消去のために歩9枚。簡単で楽しい長編。解けた最長手数かも。
橋本−こういう持駒増幅の趣向作は、稼いだ歩の消化がもたつく場合が多いのです
が、この作は趣向の舞台をうまく利用し、収束を簡素に仕上げている上、歩も単に並
べるだけでなく、2段活用していて大変巧いと思います。
たくぼん−歩を獲得する部分は一本道なれど、収束は完璧に歩を使い切る見事な手
順。難しくは無いけど完成作。
チャモ−34×9+55=361手。玉の逃げ道をふさいでいるだけだと思われる駒が収束手
順で突き抜かれる!!
もず−この飛追いは私は初見ですが、新趣向なのでしょうか。
そうだとしたらかなりすごいと思います。こういう追い方もあるんですね。
□壁に駒数を費やす必要があるので収束を作りにくくなる中で、このように壁をこわ
しながら収束するのは高度な技術です。
☆手数が長い割には考えやすい作品です。ただ、完成度の高さは一様に評価されました。
森−手が限られているので難解さはないが、集めた後の歩の消費の仕方が上手く、収束も
序盤に必要だった駒を動かし決まっている。作者の発想の豊かさが素晴らしい。
☆流石に有望作家です。今後も素晴らしい作品を期待します。
■ 総評
たくぼん−こんなに苦戦するとは思いませんでした。わたしがこんな提案をしたばっ
かりに・・・。みなさんゴメンナサイ。
森−長編が多く解答を書くのが大変でした。
☆最後の361手をベタ書きした方もいたくらいですからね。皆さん、ご苦労様でした。
若林−〆切まで2日ありますが日常の都合につき投了です。
というか何日あっても解ける気がしません。
もず−今月は時間がなくて2作が無解となってしまったのが残念です。
□それでも特に趣向作は解いていて楽しいですね。
今川−09、10に時間がかかり、最後の2問は手つかず。また、考えても私にはムリ。
□4問解けませんでしたが、協力詰の面白さを、この一ヶ月楽しませて頂きました、
感謝。
解けなかった4問の解答発表が楽しみです。
若林−このラインナップで無解1問なら充分満足。逆に思ったのが、趣向作とは言え
ない長編協力詰めってあるのかな、ということです。
□伝統詰将棋ならひたすらさばきに徹するタイプがありますが、協力詰めではそれは考
えにくいですね。
チャモ−協力趣向詰めにもまだまだ新しい筋があると実感させられます。
□問題は難しいのが多かったと思います。私には、解けない問題が多いです。修行がた
りないのでしょうか?
小峰−今回はいくらでも拡大解釈可能な課題の筈だったのですが、創作力不足で岩手
からの九州遠征に失敗しました。
□解図の方では半分しか解けませんでしたが、長編大作が多かったので仕方ないかなと
思っています(今年上半期のTopIX長編部門の選考が大変だろうなぁ〜)。
□その中でもずさんの作品を自力で鑑賞出来たのが嬉しかった。後、僕にとってフェ
アリー
の恩人であるたくぼんさんの作品を全解出来たのも良かったです。
荻絵−私は来年高校3年生の受験生となるため、塾等で忙しく、フェアリーに時間を
まわせたと
しても全力投球ができないと思われます。
□そういうわけで、それまで、九州G別館への投稿もしばらくお休みさせていただく
ことになると思います。
☆これは残念。合格とともに、早期の復帰を祈願します。
■ リンク
おもちゃ箱 - 詰将棋メモ 2005年11月04日