森茂追悼作品展

神無太郎　虫食い算: 　□□＋□□＋□□＋□□＋□□＋□□＋□□＋□□＋□□
＝ □＋□＋□＋□＋□＋□＋□＋□＋□＋□

出題：: 2007年2月1日
解答締切り：: 2007年3月4日
解答受付け：: 神無太郎さん（sgr03057@nifty.com）
選題・解説：: 小峰耕希

炎帝や森の妖精（フェアリー）遊び来よ　看空

昨年（2006年）の夏、フェアリー詰将棋界の第一人者・森茂氏が逝去されました。
氏はフェアリーを中心とした詰将棋創作・解答で実績を残され、1989年（担当が生まれる前！）にフェアリー殿堂入りを達成。虫食い算の創作も手がけるなど、幅広い分野で活躍された方でした。
その森氏を追悼するための今回の作品展ですが、それに相応しく多彩なルール・狙いの作品が集まりました。作家の皆様に大感謝です。そして、これが森氏の喜寿祝賀作品展ではない事が残念でなりません。
改めて氏の冥福をお祈り申し上げます。

【虫食い算】

等式の或る部分が□で表され、その数値を算出するもの。（広辞苑第五版）

【協力詰】

通称ばか詰。双方が協力して最短手数で受方の玉を詰める。その他のルールは基本的に伝統ルールと同じだが、無駄合いの概念は無いため、いわゆる透かし詰は詰みとは見なされない。

【協力千日手】

通称ばか千日手（ば千）。双方が協力して最短手数で局面（手番・持駒含）を出題図に戻す。攻方には王手をかける義務があり、受方には王手を外す義務がある。

【最悪詰】

攻方はなるべく相手玉が詰まないように王手し、受方はなるべく早く自玉が詰むように応じる。

作例が少ない事もあって千日手に関するルールもはっきりしないが、今回は次のルールを採用する。

同一局面２回で千日手成立。
攻方の着手によって千日手になる場合は、連続王手の千日手の禁により、着手そのものを禁ずる。
受方の着手によって千日手になる場合は、禁手ではないが目的（自玉が詰むようにする）に反するので失敗。

今回は単に作品を並べるのではなく、表紙出題・Ａ・Ｂ・Ｃの４コースに分けてみました。
表紙は太郎さんの虫食い算。分野は違っても作風はいつも通り？森氏の虫食い算との違いも合わせてお楽しみ下さい。
Ｂコースは最悪詰特集。マイナーではありますが、森氏が好んで創作したルールでした。現代のネットフェアリー界を代表するもずさん・北村さんが最悪詰を創作するとどうなるのか、要注目です。こちらも手数順ではありません。
- ルール説明でも触れましたが、Ｂ１もずさんの作品は「同一局面２回で千日手」です。一般論としては「同一局面４回」も有力な案ですが、本局は「２回」にしないと成立しません。おそらく今回最も易しい作品ですが、双方持駒無しの制限がありますので、その点もご注意下さい。
- また、北村さんの作品の内、Ｂ３とＢ４は手数の関係でＰＣ検討が出来ませんでした。ある程度は作者と担当で調べたつもりですが…。
- 最悪詰のイメージが湧かないという方は、「詰将棋おもちゃ箱」の中の、小林博・加藤徹両氏の筆による「詰将棋の分析」をご覧下さい。元は「カピタン」第８号の記事だそうです。
Ｃコースは協力詰超巨編２題。
- Ｃ１の七郎さんの作品は1001手ですが勿論唯一解。（フェアリストなら）アラビアンナイトより面白い筈です。
- Ｃ２のＴＥＴＳＵさんの作品には非限定のキズがありますが、優れた謎解きがあり、出題可能と判断しました。
尚、今回の作品展は評価不要とします。
難解作が多目かも知れませんが、解けた分だけでも解答を送って下さい。解答書きが面倒なら短評のみでも良いので、何卒宜しくお願い致しますm(_ _)m

A1　たくぼん: 協力詰 51手
A2　たくぼん: 協力詰 41手
A3　小林看空: 協力詰 91手

「森姫」
A4　神無太郎: 協力千日手 56手