世間がノストラダムスの予言で騒がしい世紀末の１９９９年夏、神無三郎邸で行われたミーティングにおいて、我々は、これまでの活動を集大成し、区切りを付ける意味で、「世紀末作品集」の製作を計画した。
　２０００年６月に上梓した「神詰大全」は、実はその一環に過ぎない。本作品集は、一族全員の、一族としての活動以前の時期をも含むフェアリー詰将棋作品のすべてを収録することを念頭に製作した。
　メンバーの自選代表作のみを取り上げた「神詰大全」の収録作は無論のこと、作者の意に満たぬ愚作や不完全作の類もすべて取り込むようにした。
　個々の詰将棋作品のみならず、発足当初から活動の母体であったメール誌"Online Fairy Mate"、神無七郎氏運営になるホームページ"Onsite Fairy Mate"、その他研究報告、特定の条件下におけるすべての完全作を抽出した調査結果、「神詰大全」、詰将棋パラダイス誌に半年に１回発表している「神無一族の氾濫」、そしてもちろん我々の活動の拠り所であるフェアリー詰将棋解析プログラム「ｆｍ」。
　ここには２０世紀における一族の活動のすべてがある。