「神詰大全」の懸賞出題シリーズを終了し、今回から通常の出題に戻ります。懸賞出題でなくなっても、どうか見捨てずに解答を送ってくださいね。
さて、今回の出題は大九郎氏による裸玉。簡素で手数も短いですが、マドラシのエッセンスはちゃんと盛り込まれていますので、充分マドラシらしさを味わえるのではないかと思います。
ばか詰 | 先後協力して最短手数で、受方の玉を詰める。 | |
マドラシ | 同種の敵駒が互いの利きに入ると、利きがなくなる。 |
![]() |
持駒は両方飛び道具ですが、手数が短いので合駒させてそれを入手する暇はありません。初手の24飛に対して、26飛と受けるのがマドラシ特有の受け方です。それに対して3手目香打で飛の利きを復活させるのもまたマドラシらしい展開。これで飛に香の支えができたので、13玉に23飛成として詰上ります。
ところで、2手目の26飛は限定打。もしこれを27より遠くに打つと、最終手に対し、25飛成の受けを生じるため不詰となるのです。短いながらもマドラシの特徴を良く活かした作品でした。
北詰正顕 さん:
前回は懸賞につられた解答でしたから,懸賞でなくても,というところをお見せしたくて解答します。(単なる気まぐれですけど。)
マドラシルールを考慮した2手目の限定打が良いですね。念のため,ルールをこのページで確認しました。
★ルールの説明は例題なんかも入れてもっと詳しくやった方が良いなと常々思ってはいるのですが、面倒なもので手を付けていません。どうかあの説明で我慢してください。
mir さん:
解けて感動する作品と、うまくできてるなあと思う作品があると思いますが、これは明らかに後者でした。最初2手目が非限定かと思ったんですけど、27だと最終手以下香を取られて逃れなんですね。詰ますための絶妙の受け。
★一種「考えオチ」的なところがありますね。あれが限定打だったことを後で気付く人が大半で、最初から気付く人は稀でしょう。
keimapyonpyon さん:
最初は「余詰めが山ほどあるじゃないか!!」と思ってたのですが2六以外のところに飛車を打つと最後で香車を取って成る手が生じてしまうんですね。というわけで限定打ですか。すばらしい。
★keimapyonpyonさんは初解答。これからもよろしくお願いします。
大西鉄矢 さん:
飛車の打ち合いして、その間に香しかないので、割合簡単に解けました。ただ、「非限定多いなぁ」と思って(前日の布団の中で解いたので)、解答書く直前、26飛限定だって気づきました。ふぅー、あぶないあぶない。
★非限定がある場合は出題時にコメントしますので、「非限定がある」と思ったら解答を見直してみてください。
マプ さん:
まず、こちょこちょやって解けたと喜んでいたんですが、△2六飛が限定の意味をわかってなかった・・・。しばらくしてから、ようやく、なるほど!マドラシのエッセンスが含まれてるなあと、感心したボケもんです、私 (^_^;;;;
★いやいや他の人のコメントからも分かるように、みんな後で気付くもんなんです。
須藤 さん:
飛打飛打、そこで香打って……という展開は読めたものの、なかなか詰上り(というよりは2段ロケット)が思い浮かばずに苦労しました。
★最初の案では持駒飛歩で、93玉の配置でした。2段ロケットが思い浮かびにくいという短評が来たということは、本図のように持駒飛香にして正解だったようですね。
もず さん:
飛成の受けをなくす限定打がマドラシならでは
★味わい深い一手ですよね。私も最初作者から図を渡されたときには、限定打だとは分からなかったくらいですから (^^;
たくぼん さん:
26飛の限定がマドラシならではですね。詰め上がりはこれしか浮かばなかったのでわりと早く解けました。
★この詰上りが浮かべば半分以上解けたも同然。やはりばか詰は詰上りが浮かぶかどうかが鍵です。
北村 太路 さん:
「神詰大全」読まさせていただいております。一度目を通すくらいのことはしたのですが、一題一題を味わっていこうとすると、悲しいかな、棋力が足りず、なかなか読み進められていきません。じっくりと楽しみながら読んでいこうと思っています。(ユーモアとエスプリを楽しむ作品群については、そのような素質がないため、皆目見当もつかない状態ですが。)
最初2手目を2九飛で詰んだつもりでいました。わざわざ六段目に飛車を打って詰まされにいく玉方の応手が健気です。
★「神詰大全」の「ユーモアとエスプリを楽しむ作品群」については Kamina Publications のページに解答が載っています。(その解答がどこに書いてあるか探すのもまた一興、という趣向になっています)
いぬた さん:
成れないところからの限定打。裸玉なのによくできてますね。こういうのをものにできたら快感だろうなぁ。
★本当、こういう作を作れたときは嬉しいでしょうね。こういう作を得るためには、やっぱりたくさん創るしかないんでしょうね。
★懸賞出題でなくなって、解答が減少するのを心配したのですが、皆さんのお陰で杞憂に終わりました。今後もどうかご贔屓に。
(2000.9.11 七郎)
Copyright © KAMINA Family 2001