#16
2008年05月05日: 課題発表:初形で玉or王が5筋(協力詰)
2008年06月28日: 投稿締切
2008年07月01日: 出題
2008年07月28日: 解答締切
2008年08月07日: 結果発表



課題発表

小峰耕希−次回希望課題(募集されてませんが、多分必要な筈なので)そろそろアイ デアが品切れなのですが、今回も捻り出しました。

  「初形で玉or王が5筋」

他に案が無い場合は使ってやって下さい。

 第15回の解答に付された上記文を見てビックリ! 第16回の課題募集をすっかり失 念していたのです。とは言え、いつも課題募集に 応じてくれる方は、小峰氏ほかごく少数。

 考える余地もありません。小峰氏の案を採用します。課題作の投稿締切は、6月28 日(土)です。作家の皆さん、よろしくお願いします。 偶数手詰(受先)も引き続き募集します。
酒井博久



出題

 このたび「九州Gフェアリー別館」から「Fairy of the Forest」に改称し、「妖精 都市」に移転してより広い発表の場を求めた のですが、いきなり苦況に陥るはめになりました。
 締切日までに集まったのは、太郎氏・七郎氏から1作ずつで、合計たったの2作!  これはもうたくぼん氏のwebマガジンに 再移転するしかないかと考えていたところ、そのたくぼん氏から3作まとめての投稿 がありました。まさに救いの神です。
 今回は何とか切り抜けられましたが、ゆくゆくは上記マガジンへの移転を考えなけ ればならないでしょう。それについては 決まり次第また報告します。
 今回の課題は「初形玉(王)が5筋」というもの。3は受方の手から始まるのでご 注意ください。解答締切は7月28日(月) です。多数の解答・感想を期待します。
酒井博久



結果発表

 詰将棋全国大会後、少し体調を崩してしまったうえ(連夜の飲酒が原因?)、生業 の多忙も重なり、本稿作成が大幅に遅れてしまいました。まずはお詫びします。
 全国大会については、案ずるより産むが易しで、大過なく終えられました。たくぼ んさんに会えたのは嬉しかったです。
 閑話休題。今回の課題は「初形5筋玉(王)」でした。この玉位置は、左右対称的 手順を予期させるのですが、果たしてどんな作品が 集まったのでしょう。順次、見ていきたいと思います。
 さて、今回の解答者は6名(うち全題正解者4名)。初解答の方が1名おられます が、これも全国大会効果でしょうか?

竹野龍騎−全国大会では大変お世話になりました。詰工房で解いてみましたので、解 答送信します。

【今回の解答者】(敬称略、到着順、○は全題正解者)
○たくぼん、○神無七郎、○隅の老人B、○竹野龍騎、赤土陽一、小峰耕希
酒井博久



16-01 たくぼん



56飛 64玉 75角 同飛 53飛成 まで 5手

たくぼん−今回こそ本当の客寄せです。詰上りは見えやすいでしょう。

隅の老人B−鮮やかな幕切れ、客寄せに最適。

竹野−最後に読んだ初手が作意でした。香筋を遮るようで指し難い。解けた瞬間は気 持ちよかったが、客寄せとしては難しすぎる。

☆詰上りが見えるかどうかが勝負でしょうが、この初手は心理的に指しづらいです ね。
     
七郎−遮蔽物を減らしたい形から、遮蔽物を増やすような初手。巧い作りです。

赤土−最初見たときは透かし詰め(45飛、54玉、43飛成、55玉、75角まで)かと思っ てしまい、その図から離れるのに時間がかかってしまいました。47の角が王手をかけ るには動きにくいので、遠く利かせるとは思っていましたが、やはり、足の長さが際 立ちますね。

☆角の利きを生かした詰上りは作者の得意パターンですが、それを見えにくくする点 に演出のうまさを感じます。

小峰−ロケット作って…(初手)→点火!(3手目)→発射!!(5手目)

☆そう言えば、詰上りには打ち上げ花火のような爽快感がありますね。



16-02 たくぼん



35飛 45香 64銀 44玉 33飛成 54玉 53龍 まで 7手

たくぼん−軽い移動合をやってみたかった。

☆と、軽くおっしゃっていますが、頭2手をこの軽い形で実現するのは大変だったと 推察されます。

隅の老人B−移動合で壁作り。信じられない、これが詰む。

竹野−飛車を成って詰み形を探す方針で、なんとか解けました。

七郎−本当は初手を不成にしたかったのでは? この形で余詰を防ぐのは至難の技で すが。

☆34飛は33に置きたかったでしょうね。そうすれば、33飛成にスイッチバック的味が 生じますし。 でも、そのために駒を増やすのは、かえって減点ですね。作者はあくまで「軽く」表 現したかったのでしょうから。

☆無解だった小峰さんからの追加感想を紹介します。

小峰−香を移動合して龍を回り込むとは予想外。今回一の仕上がりでは?



16-03 神無七郎



57香生 47桂 66玉 58桂 67玉 59桂 56玉 48桂 まで 8手

七郎−最近は時間もネタも不足気味。「参加することに意義がある」ということでお 許しを。

隅の老人B−左右同型、中央に手あり。でも2手目は違ってた。偶数詰の初手は、あ れやこれやで難儀する。

☆今回唯一の偶数手(受先)詰。唯一の左右対称形でもありました。詰上りも四桂詰 で、様式美を感じます。

竹野−四桂詰の形を探す。初手香生と決め打ったら偶然解けました。

赤土−最初は桂が売り切れなので、角を使って壁を作るのかと思っていました。六手 目の桂を影でつなぐのがいい感触ですね。

たくぼん−桂4枚で詰む形を見つければ簡単なはず。ですがなかなか思い当たらず。 継ぎ桂の形があるはずという考え方でやっとたどり着きました。短くても七郎作は難 しい。

小峰−ちょっと気の利いた初手。

☆軽作のようでも、ちょっとした考え所があるのは流石です。



16-04 神無太郎



69桂 67玉 59桂 76玉 77歩 65玉 57桂 55玉 47桂 54玉
55歩 53玉 45桂 43玉 33桂成 44玉 34圭 45玉 35圭 まで 19手

隅の老人B−桂をどんどん跳ねました。詰んだぞ、手数は21手。 何処で間違えた?  これから先が長かった。
 
赤土−前半はすらすら進んだのですが、詰み上がりが見えずに少考。六段目の壁を使 うならと考えて、正しい手順にたどり着けました。

竹野−1枚成るのは必須だと分かる。成る駒を、打った77歩、取った47歩、桂、の順 に考えなんとか作意に辿り着いたようです。

☆理屈っぽい解き方ですねぇ。詰工房は「推理将棋」ブームという話もうなづけま す。

たくぼん−序は王手が限られているし、成駒を35に引いて詰ますのも分かる。
 単純な作品のはずが、玉のノンストップの動きを見ていると、見事な作品と感じて しまう。う〜ん。

小峰−この程度の仕掛けで3回跳ねればまあまあ?

☆だと、思うのですが・・・。

七郎−形が広がるのを嫌ったのだと思いますが、「えぇ〜、もう終わり? もう一回 くらい跳ねさせてよ。」
という桂の声が聞こえたような気がします。

☆この作者には、やはり一段上を期待してしまいますね。



16-05 たくぼん



15馬 49玉 16馬 39玉 17馬 38玉 16馬 37玉 15馬 36玉
14馬 35玉 13馬 25玉 14馬 16玉 25馬 17玉 35馬 16玉
34馬 17玉 44馬 35香 同馬 16玉 17歩 15玉 16香 まで 29手詰

たくぼん−軽いくるくる級。荻絵クラスまでは私には無理でした。

☆攻方王が大駒でピンされている構図は荻絵流。大掛かりにしないのは、たくぼん流?

隅の老人B−馬と王の鬼ごっこ。最後にようやく44歩を取った。手数以内で詰めるの は、難しいや。

竹野−攻方玉へのピンをはずす方針で20手迄はすぐに辿り着いたが、そこから大苦戦 でした。香中合には参った。

☆受方玉を1筋に移動させるのは見当がつきますが、歩と香を入手しての収束はやや 意外?

七郎−昔、横型で作っていた筋を縦型にしたのでしょうか? 課題が無ければもう少 し逆算したい形ですし、33歩は不要ですね。

☆不要駒があったとは! 作者には大きな仕掛けでの改良図を期待したいところで す。
 なお、本作にも小峰さんの追加感想が来ていますので、紹介します。

小峰−最初の10手くらいは絶連なんですけど、何故か収束が見えず。 



総評など

たくぼん−さして難しくない課題に思えたが、集まった作品が私の3題含めて5題と は寂しいですね。まあ地道にコツコツ続ければいいこともあるでしょう。

☆そう信じて続けるしかないですね。でも、そのうちWFPに移転するかも知れませ ん。その際はよろしく。

七郎−出題数の少ないのは淋しいですが、個人的には助かりました。

☆うーむ・・・(微苦笑)。

隅の老人B−この暑さにも負けずに、頑張ったぞ。全問正解だと、嬉しいな。作者の 皆様、猛暑お見舞い申し上げます。
 最近、なぜか解答者の少なくなったような気がします。作者連に負けないように解 答陣も頑張ろう。

☆解答者減は感じていました。竹野さん等に期待したいところです。

竹野−詰工房烏合の衆(全員バカ詰初心者)で突っつき回し、3人寄ればなんとやら でなんとか解けたようです。
 楽しかったですが、初心者には少し難しすぎるようです。

☆楽しんでもらえて何よりです。これからもよろしくお願いします。

赤土−前期試験が終わったばかりで、全部は解けませんでしたが、とりあえず、過半 数は解けたので一応満足です。

小峰−課題だけ提起して創作はサボり、ついでに解図も今朝までサボってました…。 (←冒頭から懺悔)
 ってか最近指将棋に時間費やし過ぎですね。そのせいで、よくやっくんに教えて貰 えるようになりましたが(笑)
 でも何とか過半数解けましたので解答送りますm(_ _)m

☆お二人とも無解は同じ2題でした。